@IDX:24500
@OFF:0xd7
@SPK:
@JPN:　副院長からいただいたケーキなんぞを頬張りながら　午後のひと時を過ごす。
@ENG:

@IDX:24501
@OFF:0x12d
@SPK:
@JPN:　生温くなったクリームにいささか閉口しながらも、　残さず胃の中に放り込んだ。
@ENG:

@IDX:24502
@OFF:0x187
@SPK:
@JPN:　せっかくの副院長の好意を無駄にはできない。
@ENG:

@IDX:24503
@OFF:0x1d1
@SPK:
@JPN:　……本当のところを言えば、ケーキの味なんかは、　ほとんど問題ではない。
@ENG:

@IDX:24504
@OFF:0x227
@SPK:
@JPN:　副院長の好意……いや、口淫……いやいや、行為を　思い返すだけで頭が茹だったようになる。
@ENG:

@IDX:24505
@OFF:0x29d
@SPK:
@JPN:　副院長との目くるめく官能的な情交……。
@ENG:

@IDX:24506
@OFF:0x2d3
@SPK:
@JPN:　僕にとっては、身に余るような至福の時だった。
@ENG:

@IDX:24507
@OFF:0x30f
@SPK:
@JPN:　今まで経験したことのないほどの快感。
@ENG:

@IDX:24508
@OFF:0x343
@SPK:
@JPN:　まだ下半身に余韻が残っているような気さえする。　
@ENG:

@IDX:24509
@OFF:0x391
@SPK:
@JPN:　ただ……分からないことがある。
@ENG:

@IDX:24510
@OFF:0x3bf
@SPK:
@JPN:　どうして僕なんかとあんなことをするのか……。
@ENG:

@IDX:24512
@OFF:0x445
@SPK:　純粋に、副院長なりの僕への好意の表れと理解する　
@JPN:……のは、ちょっと難しい。
@ENG:

@IDX:24513
@OFF:0x46d
@SPK:
@JPN:　常識的に考えたって、暇潰しという理由で、昼日中　から、あまつさえ病院内であんなことをする女性が　いるか、甚だ疑問だ。
@ENG:

@IDX:24514
@OFF:0x503
@SPK:
@JPN:　副院長……実は色情狂なんじゃ……。
@ENG:

@IDX:24515
@OFF:0x535
@SPK:
@JPN:　……もっとも、誘いにホイホイ乗ってしまった僕も　偉そうなことを言えるものではない。
@ENG:

@IDX:24516
@OFF:0x5ab
@SPK:
@JPN:　副院長の言葉を思い出す。
@ENG:

@IDX:24517
@OFF:0x5f8
@SPK:
@JPN:　『大切なのはあなたが気持ちよくなったことと、
@ENG:

@IDX:24518
@OFF:0x634
@SPK:
@JPN:　　私が楽しめたこと。それだけで充分だわ』
@ENG:

@IDX:24519
@OFF:0x680
@SPK:
@JPN:　……まあ……それも、そうか……。
@ENG:

@IDX:24520
@OFF:0x6c0
@SPK:
@JPN:　膨れた腹と副院長の甘い囁きの記憶が、僕を午睡へ　いざなう……。
@ENG:

@IDX:24521
@OFF:0x70e
@SPK:
@JPN:　仕事の時間が来るまで、怠惰な微睡を楽しむことと　しよう……。
@ENG:

@IDX:24522
@OFF:0x826
@SPK:
@JPN:　……短い眠りから戻ると、いつしか空は赤く染まり　蝉の声もどこか、去りゆく日を惜しんでいるように　響いていた。
@ENG:

@IDX:24523
@OFF:0x8a2
@SPK:
@JPN:　でも、僕の一日は終わらない。
@ENG:

@IDX:24524
@OFF:0x8ce
@SPK:
@JPN:　僕にはこれから、あの仕事が待っている。
@ENG:

@IDX:24525
@OFF:0x912
@SPK:
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:24526
@OFF:0x92c
@SPK:
@JPN:　そのはずなのだが、まだ連絡が来ない。
@ENG:

@IDX:24527
@OFF:0x960
@SPK:
@JPN:　眠っていたと言っても、この電話のベルが鳴れば、　いくら僕でも反応ぐらいはする。
@ENG:

@IDX:24528
@OFF:0x9be
@SPK:
@JPN:　もう７時近いが、無骨な形の黒電話は沈黙を保った　ままだ。
@ENG:

@IDX:24529
@OFF:0xac5
@SPK:
@JPN:　窓枠に切り取られた空は赤く染まり、蝉の声もまた　終わりゆく一日を惜しんでいるように思える。
@ENG:

@IDX:24530
@OFF:0xb2f
@SPK:
@JPN:　だが、僕の一日は終わらない。
@ENG:

@IDX:24531
@OFF:0xb5b
@SPK:
@JPN:　もう７時近いというのに、まだ仕事の連絡が来ない　からだ。
@ENG:

@IDX:24532
@OFF:0xbb3
@SPK:
@JPN:　どうなっているんだ？
@ENG:

@IDX:24533
@OFF:0xbd7
@SPK:
@JPN:　確か御堂さんは、遅くても６時には準備が終わると　言っていた。
@ENG:

@IDX:24534
@OFF:0xc23
@SPK:
@JPN:　準備が遅れてるのだとしても、それなら連絡くらい　入れて欲しい。
@ENG:

@IDX:24535
@OFF:0xc9d
@SPK:
@JPN:　と、思った途端に電話のベルが鳴った。
@ENG:

@IDX:24536
@OFF:0xcd1
@SPK:
@JPN:　シンクロニシティというやつだろうか？
@ENG:

@IDX:24539
@OFF:0xd53
@SPK:[\protag]
@JPN:　はい、もしもし。
@ENG:

@IDX:24541
@OFF:0xdb0
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ、御堂です……遅くなって申し訳ありません。
@ENG:

@IDX:24544
@OFF:0xe14
@SPK:[\protag]
@JPN:　正直、待ちくたびれましたよ……で、準備ができたんですか？
@ENG:

@IDX:24546
@OFF:0xe91
@SPK:［悠紀］
@JPN:　いえ、それが……。
@ENG:

@IDX:24549
@OFF:0xedb
@SPK:[\protag]
@JPN:　……まだなんですか？
@ENG:

@IDX:24551
@OFF:0xf34
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はい……たった今連絡がありまして、仕事ができるのは８時頃になりそうだと……。
@ENG:

@IDX:24554
@OFF:0xfb8
@SPK:[\protag]
@JPN:　８時？　それじゃ、終わるのは……９時過ぎってことですか？そんなの話が違うじゃないですか。いくら何でも、もう少し早くならなかったんですか？
@ENG:

@IDX:24556
@OFF:0x1085
@SPK:［悠紀］
@JPN:　申し訳ございません。なぜこんなに遅れるのか、私にも理由がよく分からなくて……本当に申し訳ございません。
@ENG:

@IDX:24559
@OFF:0x1123
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、いえ……そんなに謝らないでください。すみません、少し言葉が過ぎました。御堂さんのせいじゃないのに……。
@ENG:

@IDX:24561
@OFF:0x11d2
@SPK:［悠紀］
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:24564
@OFF:0x1214
@SPK:[\protag]
@JPN:　……あの、どうかしたんですか？
@ENG:

@IDX:24566
@OFF:0x1277
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あっ！　いえ、何でもありません！
@ENG:

@IDX:24569
@OFF:0x12cf
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうですか？　ならいいんですが……。
@ENG:

@IDX:24571
@OFF:0x1338
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あの……よろしければ、明日に回すこともできますが？
@ENG:

@IDX:24574
@OFF:0x13a2
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　本当ですか？
@ENG:

@IDX:24576
@OFF:0x13f9
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はい……ただ、明日は２体になってしまいますが……。
@ENG:

@IDX:24579
@OFF:0x1463
@SPK:[\protag]
@JPN:　……そう、ですよね。それなら今日洗う方がいいです……。
@ENG:

@IDX:24581
@OFF:0x14de
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうですか。あの、今のは……その、私の個人的な意見なので忘れてください。
@ENG:

@IDX:24584
@OFF:0x155e
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　あ、はい。分かりました。
@ENG:

@IDX:24586
@OFF:0x15c1
@SPK:［悠紀］
@JPN:　………………。
@ENG:

@IDX:24589
@OFF:0x1607
@SPK:[\protag]
@JPN:　御堂さん？
@ENG:

@IDX:24591
@OFF:0x1656
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ、すみません……それではお仕事の方は８時からということで……。
@ENG:

@IDX:24594
@OFF:0x16ce
@SPK:[\protag]
@JPN:　はい。
@ENG:

@IDX:24596
@OFF:0x1719
@SPK:［悠紀］
@JPN:　では、よろしくお願いします。
@ENG:

@IDX:24597
@OFF:0x1785
@SPK:
@JPN:　……嫌な展開になってしまった。
@ENG:

@IDX:24598
@OFF:0x17b3
@SPK:
@JPN:　それでも、２体同時に洗わされるよりはマシだ。
@ENG:

@IDX:24599
@OFF:0x17ef
@SPK:
@JPN:　今日苦労するか、明日苦労するか……。
@ENG:

@IDX:24600
@OFF:0x1823
@SPK:
@JPN:　もしこれが誰かの書いた筋書きなら、そいつは余程　性格が悪いのだろう。
@ENG:

@IDX:24601
@OFF:0x1887
@SPK:
@JPN:　かと言って、御堂さんを責めるのもお門違いだ。
@ENG:

@IDX:24602
@OFF:0x18c3
@SPK:
@JPN:　彼女は上から来た仕事を僕に伝えるだけ。
@ENG:

@IDX:24603
@OFF:0x18f9
@SPK:
@JPN:　……言わば中間管理職のようなものだ。
@ENG:

@IDX:24604
@OFF:0x192d
@SPK:
@JPN:　あとで会ったら、もう一度謝っておこう。
@ENG:

@IDX:24605
@OFF:0x1a39
@SPK:
@JPN:　朝と同じ手順で心の準備を整えている間に、窓の外　はすっかり暗くなってしまった。
@ENG:

@IDX:24606
@OFF:0x1a97
@SPK:
@JPN:　蝉の声もすでに止み、夜の帳が辺りを包んでる。
@ENG:

@IDX:24607
@OFF:0x1ad3
@SPK:
@JPN:　この闇を抜けて仕事場に向かわなくてはいけない。　
@ENG:

@IDX:24608
@OFF:0x1b23
@SPK:
@JPN:　約束の時間まで、あと１５分。
@ENG:

@IDX:24609
@OFF:0x1b4f
@SPK:
@JPN:　少し余裕はあるが、ギリギリに着くより、むこうで　待つ方がいい。
@ENG:

@IDX:24610
@OFF:0x1b9d
@SPK:
@JPN:　のんびりと着替えれば、それくらいの時間は潰せる　だろう……。
@ENG:

@IDX:24612
@OFF:0x1cef
@SPK:［悠紀］
@JPN:　御堂です……よろしいですか？
@ENG:

@IDX:24615
@OFF:0x1d43
@SPK:[\protag]
@JPN:　どうぞ、着替えは終わってます。
@ENG:

@IDX:24617
@OFF:0x1e36
@SPK:［悠紀］
@JPN:　失礼します。作業内容の説明に参りました。
@ENG:

@IDX:24620
@OFF:0x1e96
@SPK:[\protag]
@JPN:　よろしくお願いします。
@ENG:

@IDX:24622
@OFF:0x1ef1
@SPK:［悠紀］
@JPN:　本日の数は１体です。性別は女性で、特に傷などの報告は受けておりません。それから……。
@ENG:

@IDX:24625
@OFF:0x1ff7
@SPK:[\protag]
@JPN:　どうしたんですか？
@ENG:

@IDX:24627
@OFF:0x204e
@SPK:［悠紀］
@JPN:　遅くなった理由なんですけど、上での処理が遅れたからとしか教えていただけませんでした……。
@ENG:

@IDX:24630
@OFF:0x20de
@SPK:[\protag]
@JPN:　……もしかして、僕が電話で言ったことを気にして？
@ENG:

@IDX:24632
@OFF:0x2153
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はい……
@ENG:

@IDX:24633
@OFF:0x21ef
@SPK:
@JPN:あ、いいえ！　私も気になっていたので、聞いてみただけです。
@ENG:

@IDX:24636
@OFF:0x225f
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうですか……。
@ENG:

@IDX:24638
@OFF:0x22b4
@SPK:［悠紀］
@JPN:　こちらからは以上です……何かご質問は？
@ENG:

@IDX:24641
@OFF:0x2312
@SPK:[\protag]
@JPN:　いえ、特には……。
@ENG:

@IDX:24643
@OFF:0x2369
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうですか？　では、作業に入ってください。
@ENG:

@IDX:24644
@OFF:0x23e1
@SPK:
@JPN:　御堂さんが出て行ってから、時計に視線を送る。
@ENG:

@IDX:24645
@OFF:0x241d
@SPK:
@JPN:　８時１０分……これまでの仕事の時と変わらない時　間を時計の針は示している。
@ENG:

@IDX:24646
@OFF:0x2477
@SPK:
@JPN:　だがそれは、一回りして戻っただけのこと。
@ENG:

@IDX:24647
@OFF:0x24af
@SPK:
@JPN:　今が夜であることは、ここに来る途中嫌と言うほど　見てきた。
@ENG:

@IDX:24648
@OFF:0x250b
@SPK:
@JPN:　仕方がない……明日２体洗うよりは、今洗った方が　マシだ。
@ENG:

@IDX:24649
@OFF:0x2553
@SPK:
@JPN:　そうとでも思わなければ、やってられない……。
@ENG:

@IDX:24650
@OFF:0x2673
@SPK:
@JPN:　薄暗い仕事場。
@ENG:

@IDX:24651
@OFF:0x2691
@SPK:
@JPN:　夜だと知っているからか、普段より光の量が少ない　ように感じる。
@ENG:

@IDX:24652
@OFF:0x26df
@SPK:
@JPN:　道具にできた影も、いつもとは違う。
@ENG:

@IDX:24653
@OFF:0x2711
@SPK:
@JPN:　ここは地下にあるのだから、時間など関係ないはず　だが……。
@ENG:

@IDX:24654
@OFF:0x276b
@SPK:
@JPN:　……いや、本当に暗いのか。
@ENG:

@IDX:24655
@OFF:0x2795
@SPK:
@JPN:　よく見ると、照明が一箇所だけ暗くなっている。
@ENG:

@IDX:24656
@OFF:0x27d1
@SPK:
@JPN:　たった一箇所……。
@ENG:

@IDX:24657
@OFF:0x27f3
@SPK:
@JPN:　それだけで、ただでさえ暗い雰囲気のある部屋が、　本当に薄暗くなっている。
@ENG:

@IDX:24658
@OFF:0x2866
@SPK:
@JPN:　……換えてもらおうか？
@ENG:

@IDX:24659
@OFF:0x288c
@SPK:
@JPN:　昼間のように病院の普通の場所なら、真田さんたち　事務局の人の管轄なんだろうけど……。
@ENG:

@IDX:24660
@OFF:0x28f0
@SPK:
@JPN:　まさか、ここの蛍光灯を彼女たちに交換してもらう　わけにもいかない。
@ENG:

@IDX:24661
@OFF:0x2952
@SPK:
@JPN:　とすると、鏑木さんに頼むことになるのか？
@ENG:

@IDX:24662
@OFF:0x298a
@SPK:
@JPN:　でも、部屋の雰囲気が暗いのはいつものことだし、　作業に支障はなさそうに思える。
@ENG:

@IDX:24663
@OFF:0x29e8
@SPK:
@JPN:　……少なくとも、鏑木さんならそう言うだろう。
@ENG:

@IDX:24664
@OFF:0x2a39
@SPK:
@JPN:　だが、それだけと言えばそれだけだ。
@ENG:

@IDX:24665
@OFF:0x2a6b
@SPK:
@JPN:　部屋の雰囲気が暗いのはいつものことだし、作業に　支障はなさそうに思える。
@ENG:

@IDX:24666
@OFF:0x2ac3
@SPK:
@JPN:　……少なくとも、鏑木さんならそう言うだろう。
@ENG:

@IDX:24667
@OFF:0x2b13
@SPK:
@JPN:それでも交換してもらう
@ENG:

@IDX:24668
@OFF:0x2b30
@SPK:
@JPN:仕事が終わってからでいい
@ENG:

@IDX:24669
@OFF:0x2b95
@SPK:
@JPN:　ただ薄暗いだけなら、問題はない。
@ENG:

@IDX:24670
@OFF:0x2bc5
@SPK:
@JPN:　だがここは仕事場で、これから洗うのは死体だ。
@ENG:

@IDX:24671
@OFF:0x2c01
@SPK:
@JPN:　それを考えれば、支障になりそうなものは少ない方　がいい。
@ENG:

@IDX:24672
@OFF:0x2c5b
@SPK:
@JPN:　僕はインターフォンで、鏑木さんに蛍光灯の交換を　お願いすることにした。
@ENG:

@IDX:24675
@OFF:0x2d17
@SPK:[\protag]
@JPN:　あっ、ご苦労様です。
@ENG:

@IDX:24677
@OFF:0x2d70
@SPK:［鏑木］
@JPN:　どうした？　また失敗でもやらかしたのか？
@ENG:

@IDX:24680
@OFF:0x2dd0
@SPK:[\protag]
@JPN:　いえ、今日は失敗じゃありません。蛍光灯が切れているので、交換してもらえないかと……。
@ENG:

@IDX:24682
@OFF:0x2e69
@SPK:［鏑木］
@JPN:　蛍光灯？　何本切れてるんだ？
@ENG:

@IDX:24685
@OFF:0x2ebd
@SPK:[\protag]
@JPN:　１本なんですけど……。
@ENG:

@IDX:24687
@OFF:0x2f18
@SPK:［鏑木］
@JPN:　１本？　……ふざけてるのか？
@ENG:

@IDX:24690
@OFF:0x2f6c
@SPK:[\protag]
@JPN:　いえ、そんなことは！　ただ、薄暗いと気味が悪いので……。
@ENG:

@IDX:24692
@OFF:0x2fe9
@SPK:［鏑木］
@JPN:　オイオイ、泣き言はやめてくれ。そんなに怖いんなら、明日に回せばいいだろ？　それまでには交換しておいてやる。
@ENG:

@IDX:24695
@OFF:0x308b
@SPK:[\protag]
@JPN:　いや、それもちょっと……。
@ENG:

@IDX:24697
@OFF:0x30ea
@SPK:［鏑木］
@JPN:　なら我慢しろ。こっちも明日の準備で忙しいんだ。切るぞ？
@ENG:

@IDX:24701
@OFF:0x31c6
@SPK:[\protag]
@JPN:　……何だ、あの態度は？
@ENG:

@IDX:24702
@OFF:0x31ec
@SPK:
@JPN:　彼らにとっては蛍光灯の１本や２本、切れていたと　しても何とも思わないのかもしれない。
@ENG:

@IDX:24703
@OFF:0x3250
@SPK:
@JPN:　だが僕は、この仕事を始めて４日目の素人だ。
@ENG:

@IDX:24704
@OFF:0x328a
@SPK:
@JPN:　もう少し考慮してくれてもいいのではないか？
@ENG:

@IDX:24705
@OFF:0x32d4
@SPK:
@JPN:　大体、仕事の時間が遅くなったのだって、彼らのせ　いなんじゃないのか？
@ENG:

@IDX:24706
@OFF:0x3328
@SPK:
@JPN:　それなのに、明日の準備で忙しいからと……。
@ENG:

@IDX:24707
@OFF:0x3362
@SPK:
@JPN:　僕をバカにしてるとしか思えない。
@ENG:

@IDX:24708
@OFF:0x33a2
@SPK:
@JPN:　だが、ここで愚痴っていても始まらない。
@ENG:

@IDX:24709
@OFF:0x33d8
@SPK:
@JPN:　鏑木さんに突っぱねられた以上、他に相談する相手　はいない。
@ENG:

@IDX:24710
@OFF:0x3422
@SPK:
@JPN:　……このままやるしかないということか……。
@ENG:

@IDX:24711
@OFF:0x3533
@SPK:
@JPN:　床の水洗い、死体の引き上げ……。
@ENG:

@IDX:24712
@OFF:0x3563
@SPK:
@JPN:　苛立ちをバネに、作業を進めていく。
@ENG:

@IDX:24713
@OFF:0x3595
@SPK:
@JPN:　死体の上に、浮かび上がる陰影……。
@ENG:

@IDX:24714
@OFF:0x35c7
@SPK:
@JPN:　いつもと違った影の形が、いつもと違う印象を僕に　与える。
@ENG:

@IDX:24715
@OFF:0x360f
@SPK:
@JPN:　いつもより人間らしい。
@ENG:

@IDX:24716
@OFF:0x3635
@SPK:
@JPN:　そんなバカな思いが、浮かんでくる。
@ENG:

@IDX:24717
@OFF:0x3667
@SPK:
@JPN:　それが腹立たしさに拍車をかける。
@ENG:

@IDX:24718
@OFF:0x36a5
@SPK:
@JPN:　……なぜこんな状態で洗わなければいけない？
@ENG:

@IDX:24719
@OFF:0x36df
@SPK:
@JPN:　鏑木さんが面倒臭がったりしなければ、明るい部屋　で作業ができたはずだ。
@ENG:

@IDX:24720
@OFF:0x3735
@SPK:
@JPN:　確かに僕が清掃作業をやるようになってから手間が　増えたかもしれないが、これでも精一杯やっている　つもりだ。
@ENG:

@IDX:24721
@OFF:0x37af
@SPK:
@JPN:　それを、あんな風に邪険にして……。
@ENG:

@IDX:24722
@OFF:0x37f1
@SPK:
@JPN:　死体を洗いながら、収まらない苛立ちを言葉にして　吐き出す。
@ENG:

@IDX:24723
@OFF:0x383b
@SPK:
@JPN:　言葉にすればするほど苛立ちが募り、作業が乱雑に　なっていく。
@ENG:

@IDX:24724
@OFF:0x3897
@SPK:
@JPN:　だが雑なぶん、作業のスピードは速い。
@ENG:

@IDX:24725
@OFF:0x38cb
@SPK:
@JPN:　普通なら躊躇する部位、慎重に作業をする部位も、　力任せに擦るだけ。
@ENG:

@IDX:24726
@OFF:0x391d
@SPK:
@JPN:　気がついた時には、最後の仕上げに取りかかろうと　していた。
@ENG:

@IDX:24728
@OFF:0x3ac8
@SPK:［鏑木］
@JPN:　随分早かったじゃないか……新記録だぞ。
@ENG:

@IDX:24731
@OFF:0x3b26
@SPK:[\protag]
@JPN:　……どうも。
@ENG:

@IDX:24733
@OFF:0x3b77
@SPK:［鏑木］
@JPN:　何だ、さっきのことを怒ってるのか？　分かったよ……邪険にしてすまなかったな。反省してる……この通りだ。
@ENG:

@IDX:24736
@OFF:0x3c15
@SPK:[\protag]
@JPN:　……もういいです。それより確認を進めてください。
@ENG:

@IDX:24738
@OFF:0x3c8a
@SPK:［鏑木］
@JPN:　ああ、分かった。すぐに終わらせよう。
@ENG:

@IDX:24739
@OFF:0x3cf2
@SPK:
@JPN:　彼の謝罪を聞いても、僕の苛立ちは収まらない。
@ENG:

@IDX:24740
@OFF:0x3d2e
@SPK:
@JPN:　今更謝られたところで、それが何だというのだ？
@ENG:

@IDX:24741
@OFF:0x3d6a
@SPK:
@JPN:　……もう済んだことだ。
@ENG:

@IDX:24743
@OFF:0x3de3
@SPK:［鏑木］
@JPN:　おい！　これはどういうことだ！？
@ENG:

@IDX:24746
@OFF:0x3e3b
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？
@ENG:

@IDX:24748
@OFF:0x3ef4
@SPK:［鏑木］
@JPN:　顔は慎重にやれと言ったろう！？　どういうことだ！
@ENG:

@IDX:24751
@OFF:0x3f5c
@SPK:[\protag]
@JPN:　どうしたんです？
@ENG:

@IDX:24753
@OFF:0x3fb1
@SPK:［鏑木］
@JPN:　どうしたもこうしたも……目が潰れてるじゃないか！
@ENG:

@IDX:24756
@OFF:0x4021
@SPK:[\protag]
@JPN:　……え？
@ENG:

@IDX:24758
@OFF:0x406e
@SPK:［鏑木］
@JPN:　『えっ？』じゃない！　死体の目が潰れてるんだよ！　まさかわざとじゃないだろうな！？
@ENG:

@IDX:24759
@OFF:0x4147
@SPK:
@JPN:　彼の言葉を理解するまで、若干の時を要した。
@ENG:

@IDX:24761
@OFF:0x41a3
@SPK:　……死体の目が
@JPN:…
@ENG:

@IDX:24762
@OFF:0x41b1
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:24763
@OFF:0x41c5
@SPK:
@JPN:潰れてる？
@ENG:

@IDX:24764
@OFF:0x41dd
@SPK:
@JPN:　それはつまり…………僕が潰したということか！？　
@ENG:

@IDX:24766
@OFF:0x4266
@SPK:［鏑木］
@JPN:　……おい！　聞いてるのか！？
@ENG:

@IDX:24769
@OFF:0x4375
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、はい……。
@ENG:

@IDX:24771
@OFF:0x43c8
@SPK:［鏑木］
@JPN:　まったく、早ければいいというものではないんだぞ？　慎重にやった上で早く終わらせる……じゃないと意味がないだろうが！
@ENG:

@IDX:24774
@OFF:0x4472
@SPK:[\protag]
@JPN:　すみません……。
@ENG:

@IDX:24776
@OFF:0x44c7
@SPK:［鏑木］
@JPN:　チッ……もういい。またこんなヘマをしでかしたら、副院長が何と言おうがクビにする。分かったな！？
@ENG:

@IDX:24779
@OFF:0x455d
@SPK:[\protag]
@JPN:　……はい……。
@ENG:

@IDX:24781
@OFF:0x45b0
@SPK:［鏑木］
@JPN:　じゃあ、もう行け。作業の邪魔だ。
@ENG:

@IDX:24783
@OFF:0x474e
@SPK:［悠紀］
@JPN:　お疲れ様です。
@ENG:

@IDX:24786
@OFF:0x4794
@SPK:[\protag]
@JPN:　……あ、御堂さん……。
@ENG:

@IDX:24788
@OFF:0x47ef
@SPK:［悠紀］
@JPN:　どうかされたんですか？　随分お疲れのようですが。
@ENG:

@IDX:24791
@OFF:0x4857
@SPK:[\protag]
@JPN:　ちょっと……いや、すごい失敗をしちゃって……。
@ENG:

@IDX:24793
@OFF:0x48ca
@SPK:［悠紀］
@JPN:　失敗ですか？　どのような……。
@ENG:

@IDX:24795
@OFF:0x4a73
@SPK:［鏑木］
@JPN:　こいつ、慌てて作業をして目を潰しやがったんだ。まったく、しょうがない奴だ。
@ENG:

@IDX:24797
@OFF:0x4c2e
@SPK:［悠紀］
@JPN:　えっ！？　目を……。
@ENG:

@IDX:24799
@OFF:0x4c87
@SPK:［鏑木］
@JPN:　君も担当だったら、こいつがやったことの意味が分かるだろ？俺も言ったが、君からも言ってくれないか？
@ENG:

@IDX:24801
@OFF:0x4e58
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はい……申し訳ございませんでした。
@ENG:

@IDX:24803
@OFF:0x4ebf
@SPK:［鏑木］
@JPN:　いや、君に謝ってもらってもな……とにかく君にも担当看護婦としての責任がある。注意しておいてくれ。
@ENG:

@IDX:24805
@OFF:0x4f64
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はい。今後は、二度とこのようなことがないよう、きつく注意いたします。ですから、今回は……。
@ENG:

@IDX:24807
@OFF:0x5003
@SPK:［鏑木］
@JPN:　報告するなと？
@ENG:

@IDX:24809
@OFF:0x5056
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……お願いします。
@ENG:

@IDX:24811
@OFF:0x50ad
@SPK:［鏑木］
@JPN:　こいつのためになるとは思えんがな……まあいいだろう。まだ初心者だしな……。
@ENG:

@IDX:24813
@OFF:0x513c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　本当に申し訳ありませんでした。
@ENG:

@IDX:24815
@OFF:0x519f
@SPK:［鏑木］
@JPN:　これからは気をつけてくれよ。
@ENG:

@IDX:24816
@OFF:0x5377
@SPK:
@JPN:　鏑木さんは僕に刺すような視線を向けて、仕事場へ　戻っていった。
@ENG:

@IDX:24817
@OFF:0x53c5
@SPK:
@JPN:　それにしても分からないことがある。
@ENG:

@IDX:24818
@OFF:0x53f7
@SPK:
@JPN:　僕をかばってくれたのか？
@ENG:

@IDX:24819
@OFF:0x541f
@SPK:
@JPN:　御堂さんは、僕をかばってくれたのか？
@ENG:

@IDX:24822
@OFF:0x548f
@SPK:[\protag]
@JPN:　御堂さん、あの……。
@ENG:

@IDX:24824
@OFF:0x555e
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……お話は更衣室で……。
@ENG:

@IDX:24827
@OFF:0x55ae
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、ええ……。
@ENG:

@IDX:24829
@OFF:0x572c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　それでは、この報告書にサインを……。
@ENG:

@IDX:24832
@OFF:0x5788
@SPK:[\protag]
@JPN:　ま、待って！　その前に……さっきはありがとうございます。その……僕をかばってくれて……。
@ENG:

@IDX:24834
@OFF:0x5825
@SPK:［悠紀］
@JPN:　かばった？　……ああ、私が報告はしないで欲しいと頼んでたことですか？
@ENG:

@IDX:24837
@OFF:0x58a1
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ。何で僕を……。
@ENG:

@IDX:24839
@OFF:0x58fa
@SPK:［悠紀］
@JPN:　別に、あなたをかばったわけじゃありませんよ？　副院長先生に怒られるのが嫌だから……それだけです。
@ENG:

@IDX:24842
@OFF:0x5992
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　でも、怒られるのは僕じゃ……。
@ENG:

@IDX:24844
@OFF:0x59fb
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あなたが失敗したら、私も怒られる……そういうことです。
@ENG:

@IDX:24847
@OFF:0x5a69
@SPK:[\protag]
@JPN:　……すいません。僕の失敗で御堂さんにまで迷惑をかけてたんですね……。
@ENG:

@IDX:24849
@OFF:0x5af2
@SPK:［悠紀］
@JPN:　いえ、これから気をつけてくださればそれで構いません……。それより、早くサインの方をしていただけませんか？　もう遅いですから……。
@ENG:

@IDX:24852
@OFF:0x5baa
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、はい…………はい、終わりました。目のことは……？
@ENG:

@IDX:24854
@OFF:0x5c23
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ええ、書かなくて結構です。他には……ありませんね。では、お疲れ様でした。
@ENG:

@IDX:24857
@OFF:0x5ca3
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、御堂さんも。
@ENG:

@IDX:24859
@OFF:0x5cfa
@SPK:［悠紀］
@JPN:　いえ……では、失礼いたします。
@ENG:

@IDX:24860
@OFF:0x5d66
@SPK:
@JPN:　冷たい部屋に一人残される。
@ENG:

@IDX:24861
@OFF:0x5d90
@SPK:
@JPN:　新しく知らされた事実が、頭の中でリフレインして　いる。
@ENG:

@IDX:24862
@OFF:0x5dd6
@SPK:
@JPN:　僕のミスは、僕だけのミスではなかった。
@ENG:

@IDX:24863
@OFF:0x5e0c
@SPK:
@JPN:　僕が失敗すると、御堂さんに迷惑がかかる。
@ENG:

@IDX:24864
@OFF:0x5e44
@SPK:
@JPN:　……もう失敗はごめんだ。
@ENG:

@IDX:24865
@OFF:0x5e6c
@SPK:
@JPN:　僕のためにも、御堂さんのためにも……。
@ENG:

@IDX:24866
@OFF:0x5f26
@SPK:
@JPN:　幸い、この部屋は普段から光量が多い。
@ENG:

@IDX:24867
@OFF:0x5f5a
@SPK:
@JPN:　広さの割に蛍光灯の数が多いから、ロビーなどより　余程明るいくらいだ。
@ENG:

@IDX:24868
@OFF:0x5fae
@SPK:
@JPN:　本だって余裕で読めてしまう。
@ENG:

@IDX:24869
@OFF:0x5fea
@SPK:
@JPN:　そう、実際には暗くないんだ。
@ENG:

@IDX:24870
@OFF:0x6016
@SPK:
@JPN:　暗く感じるのは、仕事が仕事だからだ。
@ENG:

@IDX:24871
@OFF:0x604a
@SPK:
@JPN:　それなら交換してもらって時間を引き延ばすよりも　早く終わらせて部屋を出た方がいい。
@ENG:

@IDX:24872
@OFF:0x60ac
@SPK:
@JPN:　大したことないと分かっていれば、仕事はできる。　
@ENG:

@IDX:24873
@OFF:0x61c7
@SPK:
@JPN:　……そう覚悟を決めていたはずなのに、思っていた　以上に作業がはかどらない。
@ENG:

@IDX:24874
@OFF:0x6221
@SPK:
@JPN:　夜という時間……。
@ENG:

@IDX:24875
@OFF:0x6243
@SPK:
@JPN:　いつもより明かりの少ない部屋……。
@ENG:

@IDX:24876
@OFF:0x6275
@SPK:
@JPN:　普段と同じ静けさも、今はより強く感じられる。
@ENG:

@IDX:24877
@OFF:0x62c1
@SPK:
@JPN:　そして、足下に横たわる死体。
@ENG:

@IDX:24878
@OFF:0x62ed
@SPK:
@JPN:　鼻梁には鼻梁の、乳房には乳房の、緩やかに括れた　腹部には腹部の……。
@ENG:

@IDX:24879
@OFF:0x6341
@SPK:
@JPN:　普段と違って見えるその陰影が、死体をいつもより　人間らしく見せる。
@ENG:

@IDX:24880
@OFF:0x63a3
@SPK:
@JPN:　いや、元々人間なのだから、それは当たり前だ。
@ENG:

@IDX:24881
@OFF:0x63df
@SPK:
@JPN:　今はそれを、いつもと比べて、よりはっきりと意識　してしまっているだけだ。
@ENG:

@IDX:24882
@OFF:0x6437
@SPK:
@JPN:　今日が特別なわけではない。
@ENG:

@IDX:24883
@OFF:0x6471
@SPK:
@JPN:　だが、普段は考えずに済んでいること……。
@ENG:

@IDX:24884
@OFF:0x64a9
@SPK:
@JPN:　僕が洗っているのは、元は生きた人間だったものだ　ということ……。
@ENG:

@IDX:24885
@OFF:0x64f9
@SPK:
@JPN:　それを思い知らされるのは、初めて死体を見た時の　状態に戻されるのに等しい。
@ENG:

@IDX:24886
@OFF:0x6565
@SPK:
@JPN:　そして昼間、生きた人間を大勢見た。
@ENG:

@IDX:24887
@OFF:0x6597
@SPK:
@JPN:　ロビーで、中庭で、元気に声を出す人々を。
@ENG:

@IDX:24888
@OFF:0x65cf
@SPK:
@JPN:　彼らの姿と目の前の死体が、容易に重なっていく。　
@ENG:

@IDX:24889
@OFF:0x6621
@SPK:
@JPN:　彼らも、いつかは物言わぬ骸になる。
@ENG:

@IDX:24890
@OFF:0x6653
@SPK:
@JPN:　こんなことを考えながら作業を進める自分……。
@ENG:

@IDX:24891
@OFF:0x668f
@SPK:
@JPN:　僕自身とて、例外ではない。
@ENG:

@IDX:24892
@OFF:0x66cd
@SPK:
@JPN:　……気がつけば、死体を洗い終わっていた。
@ENG:

@IDX:24893
@OFF:0x6705
@SPK:
@JPN:　いつの間にこんなに進んだのか……。
@ENG:

@IDX:24894
@OFF:0x6737
@SPK:
@JPN:　死体を洗ったという実感は薄いのだが、その代わり　したくもない想像を重ねたおかげで、気分は普段に　増して沈んでいる。
@ENG:

@IDX:24895
@OFF:0x67b9
@SPK:
@JPN:　確認なんて無視して、さっさと帰ってしまいたいと　思うほどに……。
@ENG:

@IDX:24897
@OFF:0x695c
@SPK:［鏑木］
@JPN:　随分早かったじゃないか……新記録だぞ。
@ENG:

@IDX:24900
@OFF:0x69ba
@SPK:[\protag]
@JPN:　……どうも。
@ENG:

@IDX:24902
@OFF:0x6a0b
@SPK:［鏑木］
@JPN:　しかし、いきなりこんなに早くなるとは……まさか、これまでは途中で寝てたんじゃあるまいな？
@ENG:

@IDX:24905
@OFF:0x6a9b
@SPK:[\protag]
@JPN:　まさか……こんなところじゃ寝られませんよ。
@ENG:

@IDX:24907
@OFF:0x6b0a
@SPK:［鏑木］
@JPN:　いんや、慣れれば寝れるかもしれないぞ。
@ENG:

@IDX:24910
@OFF:0x6b68
@SPK:[\protag]
@JPN:　だとしても、僕にはまだ無理です。
@ENG:

@IDX:24912
@OFF:0x6bcd
@SPK:［鏑木］
@JPN:　そりゃそうか。でもなんで今日に限って早いんだ？
@ENG:

@IDX:24915
@OFF:0x6c33
@SPK:[\protag]
@JPN:　あの、夜だからっていうのは理由になりませんよね。
@ENG:

@IDX:24917
@OFF:0x6ca8
@SPK:［鏑木］
@JPN:　夜だから早いってんなら、お前の仕事はみんな夜にするぞ？
@ENG:

@IDX:24920
@OFF:0x6d16
@SPK:[\protag]
@JPN:　そ、そんなの勘弁してくださいよ……それより確認しちゃってください。早く帰りたいんですから……。
@ENG:

@IDX:24922
@OFF:0x6db9
@SPK:［鏑木］
@JPN:　ああ、そうだな。さっさと終わらせてしまうか。
@ENG:

@IDX:24923
@OFF:0x6e27
@SPK:
@JPN:　確認作業の間に、今まで考えていたことを忘れよう　とする。
@ENG:

@IDX:24924
@OFF:0x6e6f
@SPK:
@JPN:　だが、なかなかうまくいかない。
@ENG:

@IDX:24925
@OFF:0x6e9d
@SPK:
@JPN:　どうしても忘れられず、再び同じことを考える羽目　になってしまう。
@ENG:

@IDX:24927
@OFF:0x6f9c
@SPK:［鏑木］
@JPN:　どうした？　随分深刻な顔をしてるじゃないか？
@ENG:

@IDX:24930
@OFF:0x7000
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　あ、いいえ……それより、どうでしたか？
@ENG:

@IDX:24932
@OFF:0x7071
@SPK:［鏑木］
@JPN:　仕事か？　まあ問題はない。ただ、早くやるより丁寧にやって欲しいところではあるが……。
@ENG:

@IDX:24935
@OFF:0x70fd
@SPK:[\protag]
@JPN:　雑でしたか？
@ENG:

@IDX:24937
@OFF:0x714e
@SPK:［鏑木］
@JPN:　いや、それほどでもない。これまでと比べれば、むしろきれいなくらいだろう。だが、俺がやったものと比べると……な。
@ENG:

@IDX:24940
@OFF:0x71f4
@SPK:[\protag]
@JPN:　それは……努力します。
@ENG:

@IDX:24942
@OFF:0x724f
@SPK:［鏑木］
@JPN:　そうしてくれ。じゃあ、もう行っていいぞ。
@ENG:

@IDX:24945
@OFF:0x72af
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、その前に……。
@ENG:

@IDX:24947
@OFF:0x7380
@SPK:［鏑木］
@JPN:　ん？　何かあるのか？
@ENG:

@IDX:24950
@OFF:0x73cc
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ。蛍光灯が切れてるんで、交換していただけませんか？
@ENG:

@IDX:24952
@OFF:0x7447
@SPK:［鏑木］
@JPN:　蛍光灯が？　……本当だ。確かに切れてるな。
@ENG:

@IDX:24955
@OFF:0x74a9
@SPK:[\protag]
@JPN:　このままだと、気になってしょうがないので……。
@ENG:

@IDX:24957
@OFF:0x751c
@SPK:［鏑木］
@JPN:　分かった、明日の作業までには交換しておこう。他にあるか？
@ENG:

@IDX:24960
@OFF:0x758c
@SPK:[\protag]
@JPN:　いいえ、なにも……。
@ENG:

@IDX:24962
@OFF:0x75e5
@SPK:［鏑木］
@JPN:　そうか、じゃあ、もう帰れ。ご苦労だったな。
@ENG:

@IDX:24964
@OFF:0x7791
@SPK:［悠紀］
@JPN:　遅くまでご苦労様でした。
@ENG:

@IDX:24967
@OFF:0x77e1
@SPK:[\protag]
@JPN:　ああ、御堂さん……。
@ENG:

@IDX:24969
@OFF:0x783a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　どうかされたんですか？　随分お疲れのようですが。
@ENG:

@IDX:24972
@OFF:0x78a2
@SPK:[\protag]
@JPN:　いいえ、なにも……今日はなにもなかったですよ。
@ENG:

@IDX:24974
@OFF:0x7915
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……ならよろしいのですが……。
@ENG:

@IDX:24977
@OFF:0x796b
@SPK:[\protag]
@JPN:　……？　僕より御堂さんの方が疲れてるように見えるけど……大丈夫ですか？
@ENG:

@IDX:24979
@OFF:0x79f6
@SPK:［悠紀］
@JPN:　え？　いいえ、私は全然……。
@ENG:

@IDX:24982
@OFF:0x7a4a
@SPK:[\protag]
@JPN:　本当ですか？
@ENG:

@IDX:24984
@OFF:0x7a9b
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……すみません、本当は少し。でも、それほどではありませんから……。
@ENG:

@IDX:24987
@OFF:0x7b15
@SPK:[\protag]
@JPN:　そう……でも、早く終わらせた方が良さそうですね。
@ENG:

@IDX:24989
@OFF:0x7b8a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……ありがとうございます。では、更衣室に……。
@ENG:

@IDX:24991
@OFF:0x7d2c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ふぅ……。
@ENG:

@IDX:24994
@OFF:0x7d6e
@SPK:[\protag]
@JPN:　本当に大丈夫ですか？
@ENG:

@IDX:24996
@OFF:0x7dc7
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ええ……あ、サインですね？　お願いします。
@ENG:

@IDX:24997
@OFF:0x7e25
@SPK:
@JPN:　渡された報告書にサインしながら、御堂さんの様子　を窺う。
@ENG:

@IDX:24998
@OFF:0x7e6d
@SPK:
@JPN:　単なる疲れだろうか？
@ENG:

@IDX:24999
@OFF:0x7e91
@SPK:
@JPN:　その顔には暗い表情が浮かんでいる。
@ENG:

@IDX:25001
@OFF:0x7f0c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あの……まだですか？
@ENG:

@IDX:25004
@OFF:0x7f58
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、すみません……これでいいですか？
@ENG:

@IDX:25006
@OFF:0x7fc1
@SPK:［悠紀］
@JPN:　拝見します……本当になにもなかったんですね？
@ENG:

@IDX:25009
@OFF:0x8025
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ。なにもありませんでした。
@ENG:

@IDX:25011
@OFF:0x8088
@SPK:［悠紀］
@JPN:　分かりました。では、私はこれで……お疲れ様でした。
@ENG:

@IDX:25012
@OFF:0x8108
@SPK:
@JPN:　冷たい部屋に一人残される。
@ENG:

@IDX:25013
@OFF:0x8132
@SPK:
@JPN:　扉の音までも力なく聞こえた。
@ENG:

@IDX:25014
@OFF:0x815e
@SPK:
@JPN:　本当にどうかしたのだろうか？
@ENG:

@IDX:25015
@OFF:0x818a
@SPK:
@JPN:　あまり素っ気なくされるのも嬉しくないが、目の前　で力なくうなだれられるのも困る。
@ENG:

@IDX:25016
@OFF:0x81ea
@SPK:
@JPN:　元気に対応してくれとは言わない。
@ENG:

@IDX:25017
@OFF:0x821a
@SPK:
@JPN:　せめて、元の御堂さんに戻ってくれないだろうか？　
@ENG:

@IDX:25018
@OFF:0x8328
@SPK:
@JPN:　……シャワーを浴びて更衣室を出るころには、もう　鏑木さんも引き上げていた。
@ENG:

@IDX:25019
@OFF:0x8382
@SPK:
@JPN:　さすがに地下にはまだ明かりがついていたが、時計　を見れば、消灯時間は過ぎている。
@ENG:

@IDX:25020
@OFF:0x83e2
@SPK:
@JPN:　ロビーもすでに照明が落ち、非常灯の明かりだけが　唯一の光源になっている。
@ENG:

@IDX:25021
@OFF:0x844a
@SPK:
@JPN:　寝静まった病院……まだ１０時にもなってないはず　なのに、まるで真夜中のように感じられる。
@ENG:

@IDX:25022
@OFF:0x84b2
@SPK:
@JPN:　人の気配も、ほとんど感じられない。
@ENG:

@IDX:25023
@OFF:0x84e4
@SPK:
@JPN:　……いや、足音が聞こえる？
@ENG:

@IDX:25024
@OFF:0x851e
@SPK:
@JPN:　廊下の奥、僕が今戻ってきた道を、白い影が入って　いった。
@ENG:

@IDX:25025
@OFF:0x8566
@SPK:
@JPN:　背筋をピンと伸ばし、足早に歩く後ろ姿。
@ENG:

@IDX:25026
@OFF:0x859c
@SPK:
@JPN:　副院長……だろうか？
@ENG:

@IDX:25027
@OFF:0x85d2
@SPK:
@JPN:　だが、何をしに行くというのだろう？
@ENG:

@IDX:25028
@OFF:0x8604
@SPK:
@JPN:　あの奥には、地下に降りる階段しかない。
@ENG:

@IDX:25029
@OFF:0x863a
@SPK:
@JPN:　地下には、もう誰もいないはずだが……。
@ENG:

@IDX:25030
@OFF:0x8684
@SPK:
@JPN:後を追ってみる
@ENG:

@IDX:25031
@OFF:0x8699
@SPK:
@JPN:見なかったことにする
@ENG:

@IDX:25032
@OFF:0x8789
@SPK:
@JPN:　副院長の後を追って、地下へと逆戻りした。
@ENG:

@IDX:25033
@OFF:0x87c1
@SPK:
@JPN:　……本当なら、こんな場所には戻りたくない。
@ENG:

@IDX:25034
@OFF:0x87fb
@SPK:
@JPN:　だがそれでも、なぜか気になって仕方がなかった。　
@ENG:

@IDX:25035
@OFF:0x884b
@SPK:
@JPN:　理由は、多分昨夜見た光景。
@ENG:

@IDX:25036
@OFF:0x8875
@SPK:
@JPN:　髪を振り乱しながら、必死の形相で手を洗い続ける　副院長の姿……。
@ENG:

@IDX:25037
@OFF:0x88c5
@SPK:
@JPN:　あの姿が、どうしても忘れられないからだろう。
@ENG:

@IDX:25038
@OFF:0x8911
@SPK:
@JPN:　だが、すぐに後を追ったはずなのに、副院長の姿が　どこにも見当たらない。
@ENG:

@IDX:25039
@OFF:0x8967
@SPK:
@JPN:　見間違いだったのか？
@ENG:

@IDX:25040
@OFF:0x898b
@SPK:
@JPN:　そんなはずはないが……。
@ENG:

@IDX:25041
@OFF:0x89c3
@SPK:
@JPN:　いや、やはり誰かいる……。
@ENG:

@IDX:25042
@OFF:0x89ed
@SPK:
@JPN:　仕事部屋よりも手前のドアが、僅かに開いたままに　なっている。
@ENG:

@IDX:25043
@OFF:0x8a39
@SPK:
@JPN:　あそこは確か霊安室のはずだが……。
@ENG:

@IDX:25044
@OFF:0x8a7d
@SPK:
@JPN:　副院長は、あの部屋にいるのか？
@ENG:

@IDX:25045
@OFF:0x8aab
@SPK:
@JPN:　しかし、こんな夜中に霊安室になど……。
@ENG:

@IDX:25046
@OFF:0x8ae1
@SPK:
@JPN:　あんな場所で、一体何を……。
@ENG:

@IDX:25047
@OFF:0x8b86
@SPK:
@JPN:　薄く開いたドアの隙間を広げ、音を立てないように　注意しながら視線だけを室内に通す。
@ENG:

@IDX:25048
@OFF:0x8c8b
@SPK:
@JPN:　霊安室にいたのは、間違いなく副院長。
@ENG:

@IDX:25049
@OFF:0x8cbf
@SPK:
@JPN:　……それと、男性の死体。
@ENG:

@IDX:25050
@OFF:0x8ce7
@SPK:
@JPN:　副院長は死体の顔を覗き込み、親しげに話しかけて　いる。
@ENG:

@IDX:25051
@OFF:0x8d3d
@SPK:
@JPN:　こんな場所でさえなければ、眠り続ける患者に語り　かける医者の姿に見えただろう。
@ENG:

@IDX:25052
@OFF:0x8d9b
@SPK:
@JPN:　それくらい副院長の表情は穏やかで、もしも相手が　恋人だったとしても納得できる。
@ENG:

@IDX:25053
@OFF:0x8e09
@SPK:
@JPN:　だがここは霊安室だ。
@ENG:

@IDX:25054
@OFF:0x8e2d
@SPK:
@JPN:　霊安室で眠るように横たわっていれば、死体以外に　考えられない。
@ENG:

@IDX:25055
@OFF:0x8e7b
@SPK:
@JPN:　死体相手に、しかもこんな時間に……。
@ENG:

@IDX:25056
@OFF:0x8eaf
@SPK:
@JPN:　まさか、本当に恋人の遺体なのだろうか？
@ENG:

@IDX:25057
@OFF:0x8f0e
@SPK:
@JPN:　その予想を裏づけるように、副院長の表情に笑みが　浮かぶ。
@ENG:

@IDX:25058
@OFF:0x8ffd
@SPK:
@JPN:　副院長の手がゆっくりと死体の首に回され、その顔　を自身の豊かな胸に納める。
@ENG:

@IDX:25059
@OFF:0x9057
@SPK:
@JPN:　あやすように髪を指で梳き、頬を寄せて静かに囁き　続ける。
@ENG:

@IDX:25060
@OFF:0x909f
@SPK:
@JPN:　こんな表情を見せる相手が副院長にいたとは、全く　知らなかった。
@ENG:

@IDX:25061
@OFF:0x915c
@SPK:
@JPN:　だが、副院長の浮いた話など、これまで僕は一度も　聞いたことがない。
@ENG:

@IDX:25062
@OFF:0x91ae
@SPK:
@JPN:　何者なんだ？
@ENG:

@IDX:25064
@OFF:0x921f
@SPK:［女の声］
@JPN:　……フフフ……こんなところに隠れてた……。
@ENG:

@IDX:25067
@OFF:0x9351
@SPK:[\protag]
@JPN:　な……！　副院長、いつの間に……。
@ENG:

@IDX:25069
@OFF:0x93b8
@SPK:［千草］
@JPN:　……見たのね？
@ENG:

@IDX:25072
@OFF:0x93fe
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　あ……い、今の……ですか？　ええ、まあ……。
@ENG:

@IDX:25074
@OFF:0x9475
@SPK:［千草］
@JPN:　……そう、見てしまったのね……フフ、フフフ……。
@ENG:

@IDX:25075
@OFF:0x94e1
@SPK:
@JPN:　副院長の様子が……おかしい？
@ENG:

@IDX:25076
@OFF:0x950d
@SPK:
@JPN:　黒目が上下左右へと小刻みに震え、頬がピクピクと　痙攣している。
@ENG:

@IDX:25077
@OFF:0x955b
@SPK:
@JPN:　……それまでの穏やかな表情とは、まるで違う。
@ENG:

@IDX:25079
@OFF:0x95e0
@SPK:［千草］
@JPN:　……あなたなんて、彼に比べたら単なるクズ……いいえ、それ以下よ……。
@ENG:

@IDX:25082
@OFF:0x965c
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　あ、あの、彼って……？
@ENG:

@IDX:25084
@OFF:0x96bd
@SPK:［千草］
@JPN:　彼は私の全て……。
@ENG:

@IDX:25086
@OFF:0x9714
@SPK:［千草］
@JPN:　彼の言うことなら、何でもできる……。
@ENG:

@IDX:25088
@OFF:0x977d
@SPK:［千草］
@JPN:　彼の言葉は、私にとって神の言葉よ……。
@ENG:

@IDX:25091
@OFF:0x97db
@SPK:[\protag]
@JPN:　も、もういいです！　分かりましたから……。
@ENG:

@IDX:25093
@OFF:0x984a
@SPK:［千草］
@JPN:　フフフ、分かってないわ……あなたなんかに分かるはずがない……彼の素晴らしさ、彼の偉大さが……。
@ENG:

@IDX:25096
@OFF:0x98e0
@SPK:[\protag]
@JPN:　さ、さっきから一体……彼って誰なんですか！？
@ENG:

@IDX:25098
@OFF:0x9951
@SPK:［千草］
@JPN:　あら、さっき私たちが愛し合う姿を散々見てたじゃない……。
@ENG:

@IDX:25101
@OFF:0x99c1
@SPK:[\protag]
@JPN:　愛し合う姿って……だって、あれは、ただの死体……。
@ENG:

@IDX:25102
@OFF:0x9aa5
@SPK:
@JPN:　『死体』の一言を口にした瞬間、時が凍りつく。
@ENG:

@IDX:25103
@OFF:0x9ae1
@SPK:
@JPN:　まるで世界を終わらせる言葉を使ったように。
@ENG:

@IDX:25104
@OFF:0x9b1b
@SPK:
@JPN:　それまではゆっくりと近づいて来ていた副院長が、　即座にその歩みを止める。
@ENG:

@IDX:25106
@OFF:0x9bbc
@SPK:［千草］
@JPN:　今……なんて言ったの？
@ENG:

@IDX:25109
@OFF:0x9c0a
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、うあ……あ……。
@ENG:

@IDX:25111
@OFF:0x9c63
@SPK:［千草］
@JPN:　今、彼のこと……死体って言ったのね？
@ENG:

@IDX:25113
@OFF:0x9ccc
@SPK:［千草］
@JPN:　あなたも他の連中と同じ……何も分かっちゃいない……。
@ENG:

@IDX:25115
@OFF:0x9dc7
@SPK:［千草］
@JPN:　フフフ……そう、そうよね……。
@ENG:

@IDX:25116
@OFF:0x9e19
@SPK:
@JPN:　副院長の視線が僕から外れる。
@ENG:

@IDX:25117
@OFF:0x9e45
@SPK:
@JPN:　虚空に向かってなにやらブツブツ呟き、そして何か　に対して頷いている。
@ENG:

@IDX:25118
@OFF:0x9e99
@SPK:
@JPN:　まるで、彼女にだけ聞こえている声に答えているか　のように……。
@ENG:

@IDX:25119
@OFF:0x9ef9
@SPK:
@JPN:　今なら逃げられるかもしれない。
@ENG:

@IDX:25120
@OFF:0x9f27
@SPK:
@JPN:　そう思った時、再び副院長の視線が僕に移された。　
@ENG:

@IDX:25122
@OFF:0x9fb0
@SPK:［千草］
@JPN:　あなたのことを理解できない奴なんて最低のクズよね？
@ENG:

@IDX:25125
@OFF:0xa01a
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、あなたって……いったい……。
@ENG:

@IDX:25127
@OFF:0xa07f
@SPK:［千草］
@JPN:　フフフ、ええ、そうかもしれないわ……。
@ENG:

@IDX:25130
@OFF:0xa0dd
@SPK:[\protag]
@JPN:　く、来るな……来ないでくれ……。
@ENG:

@IDX:25132
@OFF:0xa142
@SPK:［千草］
@JPN:　あなたもそう思うのね？　いいわ……あなたがそう言うなら、また、私が……。
@ENG:

@IDX:25133
@OFF:0xa1c0
@SPK:
@JPN:　副院長と僕の間には全く会話が成立しない。
@ENG:

@IDX:25134
@OFF:0xa1f8
@SPK:
@JPN:　まるで、僕とは違う世界に副院長は生きているよう　だった。
@ENG:

@IDX:25135
@OFF:0xa258
@SPK:
@JPN:　副院長が、再び歩みを開始する。
@ENG:

@IDX:25136
@OFF:0xa286
@SPK:
@JPN:　定まらない視線を僕に突き刺しながら、少しずつ、　ゆっくりと近づいてくる。
@ENG:

@IDX:25137
@OFF:0xa2de
@SPK:
@JPN:　まるで、ホラー映画の怪物のように……。
@ENG:

@IDX:25138
@OFF:0xa324
@SPK:
@JPN:　ニゲロ……。
@ENG:

@IDX:25139
@OFF:0xa340
@SPK:
@JPN:　何かが、僕の中で囁く。
@ENG:

@IDX:25140
@OFF:0xa366
@SPK:
@JPN:　だが、その囁きには従えない。
@ENG:

@IDX:25141
@OFF:0xa392
@SPK:
@JPN:　身体が、全く言うことを聞いてくれない。
@ENG:

@IDX:25142
@OFF:0xa3c8
@SPK:
@JPN:　そして……。
@ENG:

@IDX:25144
@OFF:0xa4e3
@SPK:［千草］
@JPN:　フフフ……やったわ……これで、またあの人に褒めてもらえる……フフフフフ……。
@ENG:

@IDX:25145
@OFF:0xa563
@SPK:
@JPN:　僕の意識が、闇に染まっていく。
@ENG:

@IDX:25146
@OFF:0xa591
@SPK:
@JPN:　永遠に続く闇の中……。
@ENG:

@IDX:25147
@OFF:0xa5b7
@SPK:
@JPN:　首筋を流れる温かい感触だけが……。
@ENG:

@IDX:25148
@OFF:0xa5e9
@SPK:
@JPN:　ゆっくりと、確実に広がっていく。
@ENG:

@IDX:25153
@OFF:0xa735
@SPK:　　　　　　　　　僕は……。
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25154
@OFF:0xa743
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25155
@OFF:0xa751
@SPK:
@JPN:？
@ENG:

@IDX:25156
@OFF:0xa881
@SPK:
@JPN:　その予想を裏づけるように、副院長の表情に笑みが　浮かぶ。
@ENG:

@IDX:25157
@OFF:0xa8c9
@SPK:
@JPN:　僕の前では見せたことのない、信頼と愛情の籠った　微笑み。
@ENG:

@IDX:25158
@OFF:0xa9ba
@SPK:
@JPN:　副院長の手がゆっくりと死体の首に回され、その顔　を自身の豊かな胸に納める。
@ENG:

@IDX:25159
@OFF:0xaa14
@SPK:
@JPN:　あやすように髪を指で梳き、頬を寄せて静かに囁き　続ける。
@ENG:

@IDX:25160
@OFF:0xaa6c
@SPK:
@JPN:　亡くなった恋人に別れを惜しんで想いを語る。
@ENG:

@IDX:25161
@OFF:0xaaa6
@SPK:
@JPN:　目にしているものをそのまま言い表せば、憐憫の情　を呼び起こさせるような、そんな光景だろう。
@ENG:

@IDX:25162
@OFF:0xab10
@SPK:
@JPN:　芝居めいてはいるが、共感できなくもない。
@ENG:

@IDX:25163
@OFF:0xab58
@SPK:
@JPN:　僕の頭の冷めた部分は、そのような客観的な判断を　下している。
@ENG:

@IDX:25164
@OFF:0xaba4
@SPK:
@JPN:　いかに眼前で展開している光景が、異様さを伴った　ものであったとしても、推測を交えれば受け入れる　ことはできる。
@ENG:

@IDX:25165
@OFF:0xac32
@SPK:
@JPN:　ただ……。
@ENG:

@IDX:25166
@OFF:0xac4c
@SPK:
@JPN:　ただ、僕の本能は警告を発し続けている。
@ENG:

@IDX:25167
@OFF:0xac82
@SPK:
@JPN:　原始的な感覚が告げている。
@ENG:

@IDX:25168
@OFF:0xacac
@SPK:
@JPN:　……怖い、と。
@ENG:

@IDX:25169
@OFF:0xacd8
@SPK:
@JPN:　診察室で目撃した彼女の姿が先入観となっているの　は否定できない。
@ENG:

@IDX:25170
@OFF:0xad28
@SPK:
@JPN:　だがそれでも、禁忌に触れてしまったような、畏怖　にも似た感情が心に澱む。
@ENG:

@IDX:25171
@OFF:0xad80
@SPK:
@JPN:　そんな得体の知れないものが僕を凍りつかせ、目を　釘づけにさせている……。
@ENG:

@IDX:25173
@OFF:0xae2d
@SPK:［女の声］
@JPN:　……どうなさったんですか？
@ENG:

@IDX:25176
@OFF:0xaede
@SPK:[\protag]
@JPN:　……っ！
@ENG:

@IDX:25179
@OFF:0xafe2
@SPK:[\protag]
@JPN:　な……御堂さん？　どうしてこんなところに……。
@ENG:

@IDX:25181
@OFF:0xb055
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あなたがまた戻っていくのをロビーで見かけたもので……。
@ENG:

@IDX:25184
@OFF:0xb0c3
@SPK:[\protag]
@JPN:　……。
@ENG:

@IDX:25186
@OFF:0xb10e
@SPK:［悠紀］
@JPN:　失礼ですがお顔が真っ青ですよ？　どうされたんですか？
@ENG:

@IDX:25189
@OFF:0xb17a
@SPK:[\protag]
@JPN:　あの、副院長が地下に降りて行くのを見て、どうしたのかなと……そうしたら……。
@ENG:

@IDX:25191
@OFF:0xb20b
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……。
@ENG:

@IDX:25194
@OFF:0xb249
@SPK:[\protag]
@JPN:　……副院長が死体の頭を抱いて……。
@ENG:

@IDX:25196
@OFF:0xb32a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……っ！！
@ENG:

@IDX:25199
@OFF:0xb36c
@SPK:[\protag]
@JPN:　御堂さん……副院長は何を……。
@ENG:

@IDX:25201
@OFF:0xb449
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……上に行きましょう。副院長先生に気づかれないうちに。
@ENG:

@IDX:25204
@OFF:0xb4b7
@SPK:[\protag]
@JPN:　……分かりました。
@ENG:

@IDX:25207
@OFF:0xb623
@SPK:[\protag]
@JPN:　……で？　あれは一体何だったんでしょうか？
@ENG:

@IDX:25209
@OFF:0xb692
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……あなたには何に見えましたか？
@ENG:

@IDX:25212
@OFF:0xb6ea
@SPK:[\protag]
@JPN:　副院長が死体の頭を抱いている……そう見えました。
@ENG:

@IDX:25214
@OFF:0xb75f
@SPK:［悠紀］
@JPN:　では、その通りのことなのでしょう……副院長先生が、遺体の頭を抱いていた……ただそれだけです。
@ENG:

@IDX:25217
@OFF:0xb7f3
@SPK:[\protag]
@JPN:　は？
@ENG:

@IDX:25219
@OFF:0xb83c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……ですから、あなたにはそう見えたのでしょう？　でしたらそれだけのことではありませんか？
@ENG:

@IDX:25222
@OFF:0xb8cc
@SPK:[\protag]
@JPN:　僕は冗談で聞いてるんじゃないんですよ！　それじゃあ、見たまんまじゃないですか！
@ENG:

@IDX:25224
@OFF:0xb95f
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……ですが、私に分かるのはそれだけです。
@ENG:

@IDX:25227
@OFF:0xb9bf
@SPK:[\protag]
@JPN:　でも、あの死体が何者かくらいは……。
@ENG:

@IDX:25229
@OFF:0xba28
@SPK:［悠紀］
@JPN:　さあ……私は直接お顔を拝見していませんし……それに、今日病院で亡くなられた方は、一人もいらっしゃいませんから。
@ENG:

@IDX:25232
@OFF:0xbace
@SPK:[\protag]
@JPN:　一人もって……。じゃあ、あれは……あれは何なんですか？　死体がボウフラのように湧いてきたとでも？
@ENG:

@IDX:25234
@OFF:0xbb73
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……分かりません……。
@ENG:

@IDX:25235
@OFF:0xbbbb
@SPK:
@JPN:　……一向に埒があかない。
@ENG:

@IDX:25236
@OFF:0xbbe3
@SPK:
@JPN:　御堂さんは、あの光景を話した時こそ驚いた表情を　見せたが、今は何か考え込むように宙の一点を凝視　している。
@ENG:

@IDX:25237
@OFF:0xbc5d
@SPK:
@JPN:　思い当たることがあるのだろうか……。
@ENG:

@IDX:25238
@OFF:0xbc91
@SPK:
@JPN:　だが彼女は、何を聞いても分からないとしか答えて　くれない。
@ENG:

@IDX:25241
@OFF:0xbd17
@SPK:[\protag]
@JPN:　……僕には教えられないことなんですか？
@ENG:

@IDX:25243
@OFF:0xbd82
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ごめんなさい……今日のことは、忘れてください……。
@ENG:

@IDX:25246
@OFF:0xbdec
@SPK:[\protag]
@JPN:　それ、副院長にも聞くなってことですか？
@ENG:

@IDX:25248
@OFF:0xbe57
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はい……噂になると、可哀想ですから……。
@ENG:

@IDX:25251
@OFF:0xbeb7
@SPK:[\protag]
@JPN:　……分かりました、副院長にも聞きません。ですが……忘れるのは無理だと思います。
@ENG:

@IDX:25253
@OFF:0xbf4a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　忘れた方が楽ですよ？
@ENG:

@IDX:25256
@OFF:0xbf96
@SPK:[\protag]
@JPN:　でしょうね。今夜辺り夢にでも見そうですよ……もっとも、眠れればの話ですが。
@ENG:

@IDX:25258
@OFF:0xc025
@SPK:［悠紀］
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:25261
@OFF:0xc067
@SPK:[\protag]
@JPN:　じゃあ、帰ります。
@ENG:

@IDX:25263
@OFF:0xc0be
@SPK:［悠紀］
@JPN:　お休みなさい……。
@ENG:

@IDX:25264
@OFF:0xc15b
@SPK:
@JPN:　結局、何も分からなかった。
@ENG:

@IDX:25265
@OFF:0xc185
@SPK:
@JPN:　副院長の行動……霊安室の死体……。
@ENG:

@IDX:25266
@OFF:0xc1b7
@SPK:
@JPN:　御堂さんは黙して語らず、ただ忘れるように言った　だけ。
@ENG:

@IDX:25267
@OFF:0xc20d
@SPK:
@JPN:　口止めされるまでもなく、副院長に直接聞く気など　更々ない。
@ENG:

@IDX:25268
@OFF:0xc257
@SPK:
@JPN:　彼女の言うように、忘れるしかないのか？
@ENG:

@IDX:25269
@OFF:0xc28d
@SPK:
@JPN:　昨夜のことと同じように……。
@ENG:

@IDX:25272
@OFF:0xc366
@SPK:[\protag]
@JPN:　……！？
@ENG:

@IDX:25273
@OFF:0xc3a2
@SPK:
@JPN:　一瞬、声も出せなかった。
@ENG:

@IDX:25274
@OFF:0xc3d2
@SPK:
@JPN:　背後から誰かに両目を覆われ、完全に視界が暗闇に　包まれる。
@ENG:

@IDX:25275
@OFF:0xc41c
@SPK:
@JPN:　冷たく、華奢な手の感触……。
@ENG:

@IDX:25276
@OFF:0xc448
@SPK:
@JPN:　耳の後ろに、温かい吐息がかかる。
@ENG:

@IDX:25278
@OFF:0xc4c3
@SPK:［女の声］
@JPN:　……覗きなんて、あまりいい趣味じゃないよ？
@ENG:

@IDX:25281
@OFF:0xc525
@SPK:[\protag]
@JPN:　だ、誰だ？
@ENG:

@IDX:25283
@OFF:0xc576
@SPK:［女の声］
@JPN:　今朝会ったばかりなのに、もう忘れちゃったの？
@ENG:

@IDX:25286
@OFF:0xc5e0
@SPK:[\protag]
@JPN:　佐伯さ……真魚？
@ENG:

@IDX:25288
@OFF:0xc6f7
@SPK:［真魚］
@JPN:　へへへ……当たりだよ。
@ENG:

@IDX:25291
@OFF:0xc745
@SPK:[\protag]
@JPN:　脅かすなよ……寿命が一年は縮んだぞ？
@ENG:

@IDX:25293
@OFF:0xc7ae
@SPK:［真魚］
@JPN:　ごめんね。でも、覗きなんかしてるから悪いんだよ？
@ENG:

@IDX:25296
@OFF:0xc816
@SPK:[\protag]
@JPN:　の、覗きなんかしてないぞ……。
@ENG:

@IDX:25298
@OFF:0xc879
@SPK:［真魚］
@JPN:　で、どうだったの？　何か面白いものは見えた？　例えば……副院長先生のヌードとか。
@ENG:

@IDX:25301
@OFF:0xc901
@SPK:[\protag]
@JPN:　だ、だから覗きなんか……って、ん？　どうしてそこで副院長が出てくるんだ？
@ENG:

@IDX:25303
@OFF:0xc98e
@SPK:［真魚］
@JPN:　看護婦の間で噂になってるんだよ。副院長先生が地下で何かしてるみたいだって。
@ENG:

@IDX:25306
@OFF:0xca10
@SPK:[\protag]
@JPN:　何かって、何だよ。
@ENG:

@IDX:25308
@OFF:0xca67
@SPK:［真魚］
@JPN:　だから、それを私が聞いてるんじゃない。
@ENG:

@IDX:25311
@OFF:0xcac5
@SPK:[\protag]
@JPN:　そ、そうか……って言うか、何で真魚がこんなところにいるんだよ。
@ENG:

@IDX:25313
@OFF:0xcb48
@SPK:［真魚］
@JPN:　だって、きみが妙にコソコソしながら地下に降りてくのが見えたんだもん。そんな面白そうなもの放っておくわけないじゃん。
@ENG:

@IDX:25315
@OFF:0xcbff
@SPK:［真魚］
@JPN:　で、中に副院長先生はいるの？　……もしかして、一人エッチでもしてるとか♪
@ENG:

@IDX:25318
@OFF:0xcc7f
@SPK:[\protag]
@JPN:　ば、馬鹿なこと言うなよ！
@ENG:

@IDX:25320
@OFF:0xcd56
@SPK:［真魚］
@JPN:　きゃっ！　急に大声出さないでよ。ビックリするでしょ。
@ENG:

@IDX:25323
@OFF:0xcdc2
@SPK:[\protag]
@JPN:　ご、ごめん。
@ENG:

@IDX:25325
@OFF:0xce89
@SPK:［真魚］
@JPN:　……もう。大声なんか出したら、気づかれちゃうよ？　覗きをするんなら、もっと気をつけなきゃ。
@ENG:

@IDX:25328
@OFF:0xcf1b
@SPK:[\protag]
@JPN:　……だから、覗きじゃないんだってば。
@ENG:

@IDX:25330
@OFF:0xcffa
@SPK:［真魚］
@JPN:　はいはい、そういうことにしといてあげる。じゃあ私、仕事の時間だから行くね……覗きは、ほどほどにしないとダメだぞ？
@ENG:

@IDX:25331
@OFF:0xd0ac
@SPK:
@JPN:　完全にスケベ野郎と思われてしまった。
@ENG:

@IDX:25332
@OFF:0xd0e0
@SPK:
@JPN:　かと言って、本当のことを話すのも気が引ける。
@ENG:

@IDX:25333
@OFF:0xd11c
@SPK:
@JPN:　そんなことをすれば、昨夜診察室で見たことまで芋　づる式に聞き出されてしまいそうな気がする。
@ENG:

@IDX:25334
@OFF:0xd186
@SPK:
@JPN:　それこそ余計な誤解を生む結果になりかねない。
@ENG:

@IDX:25335
@OFF:0xd1d4
@SPK:
@JPN:　……どのみち、これ以上ここにはいられない。
@ENG:

@IDX:25336
@OFF:0xd20e
@SPK:
@JPN:　今晩見たことも、昨夜の光景同様、忘れるしかない　のか？
@ENG:

@IDX:25337
@OFF:0xd32e
@SPK:
@JPN:　部屋に戻ってから、眠れない時を過ごしていた。
@ENG:

@IDX:25338
@OFF:0xd36a
@SPK:
@JPN:　地下での光景、今日洗った死体……。
@ENG:

@IDX:25339
@OFF:0xd39c
@SPK:
@JPN:　どちらも寝る前に見るようなものではない。
@ENG:

@IDX:25340
@OFF:0xd3f1
@SPK:
@JPN:　……副院長は、何をしていたんだ？
@ENG:

@IDX:25341
@OFF:0xd421
@SPK:
@JPN:　死体と語り、死体を抱き……。
@ENG:

@IDX:25342
@OFF:0xd45d
@SPK:
@JPN:　僕の印象が正しければ、あの死体の人物は副院長の　恋人か、肉親か……とにかく彼女と縁の深い近しい　男性なのだろう。
@ENG:

@IDX:25343
@OFF:0xd4dd
@SPK:
@JPN:　副院長の表情が、それを物語っていた。
@ENG:

@IDX:25344
@OFF:0xd521
@SPK:
@JPN:　しかし、どうしてわざわざあんな時間に……。
@ENG:

@IDX:25345
@OFF:0xd55b
@SPK:
@JPN:　死体に話しかけること自体、他人から見たら、奇行　や奇癖の類としか思われないかもしれない。
@ENG:

@IDX:25346
@OFF:0xd5c3
@SPK:
@JPN:　人目を避けたのかもしれないが、夜の暗さのせいで　かえって行為の異様さが強調される。
@ENG:

@IDX:25347
@OFF:0xd635
@SPK:
@JPN:　それに、今思えば、副院長の顔には愁嘆の色が全く　なかった。
@ENG:

@IDX:25348
@OFF:0xd67f
@SPK:
@JPN:　職業柄、人の死に耐性があるだけかもしれないが、　それでも涙ぐむぐらいしても良さそうなものだ。
@ENG:

@IDX:25349
@OFF:0xd6f9
@SPK:
@JPN:　…………いや、違う。
@ENG:

@IDX:25350
@OFF:0xd71d
@SPK:
@JPN:　僕を眠りから遠ざけているのは、そんな瑣末なこと　ではない。
@ENG:

@IDX:25351
@OFF:0xd767
@SPK:
@JPN:　こんなにゴチャゴチャと思考を繰り返すのは、ただ　の逃避行動に過ぎない。
@ENG:

@IDX:25352
@OFF:0xd7bd
@SPK:
@JPN:　あの時、心に植えつけられた、冷たい感覚……。
@ENG:

@IDX:25353
@OFF:0xd813
@SPK:
@JPN:　　　　　　　　　コ
@ENG:

@IDX:25354
@OFF:0xd841
@SPK:
@JPN:ワ
@ENG:

@IDX:25355
@OFF:0xd85d
@SPK:
@JPN:イ
@ENG:

@IDX:25356
@OFF:0xd895
@SPK:
@JPN:　この感情が、僕の眠りを妨げている。
@ENG:

@IDX:25357
@OFF:0xd8e1
@SPK:
@JPN:　…
@ENG:

@IDX:25358
@OFF:0xd8f1
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25359
@OFF:0xd8ff
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25360
@OFF:0xd90d
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25361
@OFF:0xd91b
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25362
@OFF:0xd929
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25363
@OFF:0xd937
@SPK:
@JPN:。
@ENG:

@IDX:25364
@OFF:0xd963
@SPK:
@JPN:　時計の刻む音に強く意識を向け、記憶からあの光景　を振り払う。
@ENG:

@IDX:25365
@OFF:0xd9af
@SPK:
@JPN:　忘れよう……。
@ENG:

@IDX:25366
@OFF:0xd9cd
@SPK:
@JPN:　せめて、今だけでも……。
@ENG:

@IDX:25367
@OFF:0xda12
@SPK:
@JPN:　……副院長は、何をしていたんだ？
@ENG:

@IDX:25368
@OFF:0xda42
@SPK:
@JPN:　あんなに楽しそうに、死体に語りかけて……。
@ENG:

@IDX:25369
@OFF:0xda8c
@SPK:
@JPN:　僕の印象が正しければ、あの死体の人物は副院長の　恋人か、肉親か……とにかく彼女と縁の深い近しい　男性なのだろう。
@ENG:

@IDX:25370
@OFF:0xdb0c
@SPK:
@JPN:　副院長の表情が、それを物語っていた。
@ENG:

@IDX:25371
@OFF:0xdb4e
@SPK:
@JPN:　死体に語りかけるという、そのシチュエーションを　読み解けば、いささか芝居がかってはいるものの、　副院長の行動は理解できないでもない。
@ENG:

@IDX:25372
@OFF:0xdbe2
@SPK:
@JPN:　亡くなった人を惜しんで死者に語りかけていた。
@ENG:

@IDX:25373
@OFF:0xdc1e
@SPK:
@JPN:　そのような行為は、愁嘆場ではそう珍しいことでも　なかろう。
@ENG:

@IDX:25374
@OFF:0xdc76
@SPK:
@JPN:　ただ、どうしてわざわざあんな時間に……？
@ENG:

@IDX:25375
@OFF:0xdcae
@SPK:
@JPN:　死体に話しかけること自体、良く言えば美談だが、　一歩間違えば、奇行や奇癖とも取られかねない。
@ENG:

@IDX:25376
@OFF:0xdd1a
@SPK:
@JPN:　人目を避けたのかもしれないが、夜の暗さのせいで　かえって行為の異様さが強調される。
@ENG:

@IDX:25377
@OFF:0xdd8c
@SPK:
@JPN:　それに、今思えば、副院長の表情には悲嘆に暮れた　様子が全くなかった。
@ENG:

@IDX:25378
@OFF:0xdde0
@SPK:
@JPN:　職業柄、人の死に耐性があるだけかもしれないが、　それでも涙ぐむぐらいしても良さそうなものだ。
@ENG:

@IDX:25379
@OFF:0xde5c
@SPK:
@JPN:　副院長の行動には、何か、得体の知れない違和感を　覚えてならない。
@ENG:

@IDX:25380
@OFF:0xdeac
@SPK:
@JPN:　……もっとも、診察室で目撃した彼女の姿が先入観　となっているのは否定できないが……。
@ENG:

@IDX:25381
@OFF:0xdf20
@SPK:
@JPN:　……延々と回り続ける思考の渦。
@ENG:

@IDX:25382
@OFF:0xdf4e
@SPK:
@JPN:　その渦に翻弄されたのか、睡魔はなかなか僕の下に　やって来てくれない。
@ENG:

@IDX:25383
@OFF:0xdfa2
@SPK:
@JPN:　今日はこのまま、まんじりともできない、長い夜に　なりそうだ。
@ENG:

@IDX:25384
@OFF:0xe023
@SPK:
@JPN:　……見なかったことにしよう。
@ENG:

@IDX:25385
@OFF:0xe04f
@SPK:
@JPN:　こんな時間になぜ副院長が地下に降りるのか興味は　あるが、見間違いということだってある。
@ENG:

@IDX:25386
@OFF:0xe0b5
@SPK:
@JPN:　それにあんな場所、戻りたいとは思わない。
@ENG:

@IDX:25387
@OFF:0xe0ff
@SPK:
@JPN:　それに、昨夜のこともある。
@ENG:

@IDX:25388
@OFF:0xe129
@SPK:
@JPN:　昨夜見た、副院長が手を洗っている姿……。
@ENG:

@IDX:25389
@OFF:0xe161
@SPK:
@JPN:　思い出すたび、不安になってくる。
@ENG:

@IDX:25390
@OFF:0xe1a1
@SPK:
@JPN:　それでも後を追うかと聞かれたら、答えはＮＯ。
@ENG:

@IDX:25391
@OFF:0xe1dd
@SPK:
@JPN:　余計な……見なくていいものなど、これ以上見たい　とは思わない。
@ENG:

@IDX:25392
@OFF:0xe22b
@SPK:
@JPN:　小さく嘆息して頭を振ると、廊下に背を向ける。
@ENG:

@IDX:25394
@OFF:0xe2b2
@SPK:［女の声］
@JPN:　あれ？　まだこんな場所にいたの？
@ENG:

@IDX:25397
@OFF:0xe433
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　ああ、真魚。それに、御堂さんも……二人とも、今から帰り？
@ENG:

@IDX:25399
@OFF:0xe4b6
@SPK:［真魚］
@JPN:　ううん、違うよ。ちょっと休憩してただけ。
@ENG:

@IDX:25402
@OFF:0xe516
@SPK:[\protag]
@JPN:　休憩？　二人揃って？
@ENG:

@IDX:25404
@OFF:0xe56f
@SPK:［真魚］
@JPN:　うん。ナースステーションにはまだ二人残ってるし、ポケベルも持ってるもん。問題ないよ。ね？　先輩。
@ENG:

@IDX:25406
@OFF:0xe614
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……え？　あ……ご、ごめんなさい。何の話？
@ENG:

@IDX:25407
@OFF:0xe67d
@SPK:
@JPN:　真魚の明るい表情に対し、御堂さんの表情はどうも　優れない。
@ENG:

@IDX:25408
@OFF:0xe6c7
@SPK:
@JPN:　やはり、どこか身体の具合が悪いんじゃないか？
@ENG:

@IDX:25409
@OFF:0xe703
@SPK:
@JPN:　俯き加減に目を伏せ、こちらを見ようとしない。
@ENG:

@IDX:25412
@OFF:0xe77b
@SPK:[\protag]
@JPN:　御堂さん、大丈夫ですか？　さっきからぼんやりしてるけど。
@ENG:

@IDX:25414
@OFF:0xe7f8
@SPK:［悠紀］
@JPN:　え？　あ、私……。
@ENG:

@IDX:25416
@OFF:0xe980
@SPK:［真魚］
@JPN:　そうだよ。先輩、なんか顔色が悪いよ？　今日はもう帰らせてもらったら？
@ENG:

@IDX:25418
@OFF:0xea09
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ううん、大丈夫……心配かけちゃって、ゴメンね。
@ENG:

@IDX:25420
@OFF:0xea7c
@SPK:［真魚］
@JPN:　私はいいけどさ……少し休むだけでも違うと思うよ？
@ENG:

@IDX:25422
@OFF:0xeaf1
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ありがとう……じゃあ、少し仮眠を取ってくるわね。
@ENG:

@IDX:25424
@OFF:0xec93
@SPK:［真魚］
@JPN:　うん。何かあったら起こしちゃうけど……。
@ENG:

@IDX:25426
@OFF:0xed00
@SPK:［悠紀］
@JPN:　気にしないで。それでは、二人ともお休みなさい。
@ENG:

@IDX:25428
@OFF:0xed73
@SPK:［真魚］
@JPN:　お休みなさい！
@ENG:

@IDX:25431
@OFF:0xedb9
@SPK:[\protag]
@JPN:　ゆっくり休んでください。
@ENG:

@IDX:25433
@OFF:0xefac
@SPK:［真魚］
@JPN:　さて、と……
@ENG:

@IDX:25434
@OFF:0xf054
@SPK:
@JPN:こら！　先輩になにしたのよ！？
@ENG:

@IDX:25437
@OFF:0xf0a8
@SPK:[\protag]
@JPN:　な、何だよ急に……僕はなにもしてないぞ！？
@ENG:

@IDX:25439
@OFF:0xf117
@SPK:［真魚］
@JPN:　うそだ！　先輩、きみに連絡してから様子が変だもん。きみが何か言ったに決まってるよ！
@ENG:

@IDX:25442
@OFF:0xf1a1
@SPK:[\protag]
@JPN:　オイオイ……勝手に決めつけるなよ。僕は何も言ってないし、何もしてない。仕事で何かあったんじゃないか？
@ENG:

@IDX:25444
@OFF:0xf24a
@SPK:［真魚］
@JPN:　むぅ……だから、その仕事で何かあったんじゃないかって聞いてるんでしょ！　きみが仕事で失敗して、それで先輩に迷惑かけたんじゃないの！？
@ENG:

@IDX:25447
@OFF:0xf306
@SPK:[\protag]
@JPN:　いや、今日は失敗してないよ。
@ENG:

@IDX:25449
@OFF:0xf3dd
@SPK:［真魚］
@JPN:　ホント？　なんか、うそ臭いなー。きみって夜の作業、初めてだよね？　おまけに蛍光灯が切れたりなんかしてたら、失敗しても変じゃないよ。
@ENG:

@IDX:25453
@OFF:0xf4e3
@SPK:[\protag]
@JPN:ん？
@ENG:

@IDX:25454
@OFF:0xf517
@SPK:
@JPN:　……ちょっと待て……今、真魚はなんて言った？
@ENG:

@IDX:25455
@OFF:0xf553
@SPK:
@JPN:　夜の作業が初めてなのは御堂さんから聞いたのかも　しれない。
@ENG:

@IDX:25456
@OFF:0xf59d
@SPK:
@JPN:　しかし、なぜ彼女が部屋の蛍光灯が切れていたのを　知っている？
@ENG:

@IDX:25457
@OFF:0xf5e9
@SPK:
@JPN:　あまりに自然な口調だったので、ついつい聞き逃す　ところだった。
@ENG:

@IDX:25459
@OFF:0xf688
@SPK:［男の声］
@JPN:　佐伯君！
@ENG:

@IDX:25461
@OFF:0xf74f
@SPK:［真魚］
@JPN:　こ、この声は！？
@ENG:

@IDX:25463
@OFF:0xf8d9
@SPK:［真魚］
@JPN:　……やっぱり……。
@ENG:

@IDX:25465
@OFF:0xf930
@SPK:［医者］
@JPN:　いやぁ、奇遇だなぁ。丁度帰ろうと思ったら君に会えるなんて……運命を感じないか？
@ENG:

@IDX:25467
@OFF:0xf9c3
@SPK:［真魚］
@JPN:　運命？　先生と私が絶対に結ばれないって運命なら感じるけど……それのこと？
@ENG:

@IDX:25469
@OFF:0xfa50
@SPK:［医者］
@JPN:　いやあ、相変わらず佐伯君は手厳しいな。
@ENG:

@IDX:25471
@OFF:0xfabb
@SPK:［真魚］
@JPN:　先生こそ相変わらず、いやらしいよ。
@ENG:

@IDX:25473
@OFF:0xfc4b
@SPK:［医者］
@JPN:　いやらしい……僕が？
@ENG:

@IDX:25476
@OFF:0xfc97
@SPK:[\protag]
@JPN:　な、なあ、真魚。知り合いか？
@ENG:

@IDX:25478
@OFF:0xfe21
@SPK:［真魚］
@JPN:　ほえ？
@ENG:

@IDX:25480
@OFF:0xff95
@SPK:［医者］
@JPN:　ん？　……また貴様か。こんなところで何をしている。また僕の邪魔をするのか？
@ENG:

@IDX:25483
@OFF:0x10017
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　またって……えっと、失礼ですが、前にお会いしたことありましたか？
@ENG:

@IDX:25485
@OFF:0x101d3
@SPK:［医者］
@JPN:　き、貴様！　僕の顔を忘れたとでも言うのか！？
@ENG:

@IDX:25488
@OFF:0x10237
@SPK:[\protag]
@JPN:　えっ？　えっと……。
@ENG:

@IDX:25490
@OFF:0x103bd
@SPK:［真魚］
@JPN:　ほら、この間の……。
@ENG:

@IDX:25493
@OFF:0x10409
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　この間って？
@ENG:

@IDX:25495
@OFF:0x10460
@SPK:［真魚］
@JPN:　健康診断で、私が案内した時。
@ENG:

@IDX:25498
@OFF:0x104b4
@SPK:[\protag]
@JPN:　案内……案内……あっ！　や、やだなぁ、忘れるわけないじゃないですか。もちろん覚えてますよ。えっと……北沢先生？
@ENG:

@IDX:25500
@OFF:0x10694
@SPK:［真魚］
@JPN:　はぁ……素直に忘れてたって言えばいいのに……。
@ENG:

@IDX:25502
@OFF:0x10709
@SPK:［北沢？］
@JPN:　お、思いっきり忘れてるじゃないか！！
@ENG:

@IDX:25505
@OFF:0x10765
@SPK:[\protag]
@JPN:　そ、そんなことありませんよ。えっと、この間、真魚に迫ってたペド……。
@ENG:

@IDX:25507
@OFF:0x10921
@SPK:［真魚］
@JPN:　ペド…………？
@ENG:

@IDX:25509
@OFF:0x10976
@SPK:［北沢？］
@JPN:　ペド……。
@ENG:

@IDX:25512
@OFF:0x109b8
@SPK:[\protag]
@JPN:　……年齢差を気にしない大らかな男性医師の北先生。
@ENG:

@IDX:25514
@OFF:0x10b60
@SPK:［北］
@JPN:　き、き、貴様か！？　妙な噂を流してるのは！
@ENG:

@IDX:25517
@OFF:0x10bc2
@SPK:[\protag]
@JPN:　う、噂って何ですか！？　知りませんよ、そんなの。
@ENG:

@IDX:25519
@OFF:0x10c35
@SPK:［北］
@JPN:　ふんっ、もういい。貴様なんぞ相手にしている暇はない！
@ENG:

@IDX:25521
@OFF:0x10dd5
@SPK:［北］
@JPN:　……佐伯君、食事の件なんだが……今夜辺りどうだい？
@ENG:

@IDX:25524
@OFF:0x10e3f
@SPK:[\protag]
@JPN:　はは、で、結局真魚をナンパするのか……。
@ENG:

@IDX:25526
@OFF:0x10fd3
@SPK:［北］
@JPN:　うるさい！　貴様は黙っていろ！
@ENG:

@IDX:25529
@OFF:0x11029
@SPK:[\protag]
@JPN:　はいはい。で、どうすんだ真魚？
@ENG:

@IDX:25531
@OFF:0x111b5
@SPK:［真魚］
@JPN:　今夜は夜勤だから、ダメ。
@ENG:

@IDX:25533
@OFF:0x1133d
@SPK:［北］
@JPN:　や、夜勤だって、食事休憩ぐらいあるだろう？　仮眠だって、交代で取るはずだ。
@ENG:

@IDX:25535
@OFF:0x113cc
@SPK:［真魚］
@JPN:　へ？　食事休みの時間に先生と食事をしろって言うの？　ダメだよ、そんなの。もう約束しちゃったもん。第一、先生帰るところじゃなかったの？
@ENG:

@IDX:25537
@OFF:0x11493
@SPK:［北］
@JPN:　き、君が食事につき合ってくれるなら、まだ帰らない。
@ENG:

@IDX:25539
@OFF:0x1150a
@SPK:［真魚］
@JPN:　それに『仮眠は交代で取るはずだ』なんて、なに当たり前のこと言ってんの？　もしかして、仮眠時間に先生と食事をしろってこと？
@ENG:

@IDX:25541
@OFF:0x115c5
@SPK:［北］
@JPN:　も、もちろん。
@ENG:

@IDX:25543
@OFF:0x11618
@SPK:［真魚］
@JPN:　そんなのできるわけないじゃん。ばっかじゃないの？
@ENG:

@IDX:25545
@OFF:0x1168b
@SPK:［北］
@JPN:　うぐっ……な、なら明日は……。
@ENG:

@IDX:25547
@OFF:0x1181f
@SPK:［真魚］
@JPN:　明日のことなんて、今は決めらんないよ。もしかしたら、先輩と食事するかもしれないし。彼と一緒かもしれないし。
@ENG:

@IDX:25550
@OFF:0x118c1
@SPK:[\protag]
@JPN:　お、おい、そんなこと言ったら……。
@ENG:

@IDX:25552
@OFF:0x11a53
@SPK:［北］
@JPN:　な、なんだと！　僕とは食事できなくてもこいつならいいって言うのか！？
@ENG:

@IDX:25554
@OFF:0x11c05
@SPK:［真魚］
@JPN:　だって、先生、下心バリバリなんだもん。
@ENG:

@IDX:25556
@OFF:0x11d97
@SPK:［北］
@JPN:　し、下心バリバリ……。
@ENG:

@IDX:25559
@OFF:0x11de5
@SPK:[\protag]
@JPN:　ぷっ。
@ENG:

@IDX:25561
@OFF:0x11f57
@SPK:［北］
@JPN:　わ、笑うな！
@ENG:

@IDX:25563
@OFF:0x11fa8
@SPK:［真魚］
@JPN:　そんな人と一緒じゃ安心してご飯食べらんないもん。
@ENG:

@IDX:25565
@OFF:0x12148
@SPK:［北］
@JPN:　くっ……わ、分かった。じゃあ、御堂君と一緒で構わん。それなら僕と食事してくれるか？
@ENG:

@IDX:25567
@OFF:0x1230c
@SPK:［真魚］
@JPN:　イ・ヤ！　そんなことしたら先輩の身も危険に晒すことになっちゃうもん！
@ENG:

@IDX:25569
@OFF:0x124bc
@SPK:［北］
@JPN:　そ、そんなに僕は信用されてないのか？
@ENG:

@IDX:25572
@OFF:0x12518
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうみたいですね……。
@ENG:

@IDX:25574
@OFF:0x12571
@SPK:［北］
@JPN:　そうなのか……。
@ENG:

@IDX:25576
@OFF:0x126ed
@SPK:［北］
@JPN:　はっ！　き、貴様などに同情されたくないわ！
@ENG:

@IDX:25578
@OFF:0x12887
@SPK:［北］
@JPN:　も、もういい！　今夜はもう誘わん！
@ENG:

@IDX:25580
@OFF:0x12a84
@SPK:［真魚］
@JPN:　ふぅ……何とか今日も撃退できたよ。
@ENG:

@IDX:25583
@OFF:0x12af0
@SPK:[\protag]
@JPN:　撃退か……大変なんだな、お前も……多分、まだあいつ諦めてないぞ？　『今夜は』って言ってたし。
@ENG:

@IDX:25585
@OFF:0x12b91
@SPK:［真魚］
@JPN:　うん、そうだと思う……。でも、その間は先輩が誘われないですむからね。
@ENG:

@IDX:25588
@OFF:0x12c0d
@SPK:[\protag]
@JPN:　偉いな、真魚は。
@ENG:

@IDX:25590
@OFF:0x12cd8
@SPK:［真魚］
@JPN:　子供を誉めるみたいに言うのやめてよ！
@ENG:

@IDX:25593
@OFF:0x12d34
@SPK:[\protag]
@JPN:　悪い悪い……あれ？
@ENG:

@IDX:25595
@OFF:0x12e01
@SPK:［真魚］
@JPN:　どしたの？
@ENG:

@IDX:25598
@OFF:0x12e43
@SPK:[\protag]
@JPN:　いや、あいつが来る前に、真魚に何か言おうとしてたんだけど……なんだったかな？
@ENG:

@IDX:25600
@OFF:0x12ed4
@SPK:［真魚］
@JPN:　忘れちゃったの？
@ENG:

@IDX:25603
@OFF:0x12f1c
@SPK:[\protag]
@JPN:　うーん……あっそうだ！　なんでお前、蛍光灯が切れてたって知ってるんだ？
@ENG:

@IDX:25605
@OFF:0x12fa7
@SPK:［真魚］
@JPN:　え？　だって朝覗いた時から切れてたよ。
@ENG:

@IDX:25608
@OFF:0x13005
@SPK:[\protag]
@JPN:　……そうなのか？
@ENG:

@IDX:25610
@OFF:0x130d0
@SPK:［真魚］
@JPN:　うん、そうだよ。そんなことよりさ……ほら、もう帰りなよ。仕事で疲れてるんでしょ？　私も戻るからさ。
@ENG:

@IDX:25613
@OFF:0x1316a
@SPK:[\protag]
@JPN:　そう……だな、そうするよ。じゃあ、お休み。
@ENG:

@IDX:25615
@OFF:0x1324f
@SPK:［真魚］
@JPN:　うん！　お休み！
@ENG:

@IDX:25616
@OFF:0x132a3
@SPK:
@JPN:　そうか、朝から切れてたのか。
@ENG:

@IDX:25617
@OFF:0x132cf
@SPK:
@JPN:　真魚……それならその時、取り替えるように言って　おいてくれ……。
@ENG:

@IDX:25618
@OFF:0x1332b
@SPK:
@JPN:　大体、真魚も困ったものだ……。
@ENG:

@IDX:25619
@OFF:0x13359
@SPK:
@JPN:　蛍光灯のことはご愛嬌としても、御堂さんの様子が　おかしいのを、僕の失敗のせいだと決めつけるとは　聞き捨てならない。
@ENG:

@IDX:25620
@OFF:0x133db
@SPK:
@JPN:　確かに、いつもより薄暗い仕事場に一瞬戸惑ったが　それでも、大きな失策もなく仕事を終えた。
@ENG:

@IDX:25621
@OFF:0x13443
@SPK:
@JPN:　少なくとも、今日の仕事では失敗していない。
@ENG:

@IDX:25622
@OFF:0x1347d
@SPK:
@JPN:　……そんなに僕はトロそうに見えるのだろうか？
@ENG:

@IDX:25623
@OFF:0x134c9
@SPK:
@JPN:　御堂さんの表情が暗いのも、単に夏風邪でも引いた　だけなのかもしれないじゃないか。
@ENG:

@IDX:25624
@OFF:0x13529
@SPK:
@JPN:　或いは、その……女性の……アレとか……。
@ENG:

@IDX:25625
@OFF:0x13561
@SPK:
@JPN:　しかしそれにしても、ずいぶんと顔色が悪かったが　大丈夫だろうか？
@ENG:

@IDX:25626
@OFF:0x135dd
@SPK:
@JPN:　真魚の明るい表情に対し、御堂さんの表情はどうも　優れない。
@ENG:

@IDX:25627
@OFF:0x13627
@SPK:
@JPN:　どこか、身体の具合が悪いんじゃないか？
@ENG:

@IDX:25628
@OFF:0x1365d
@SPK:
@JPN:　俯き加減に目を伏せ、こちらを見ようとしない。
@ENG:

@IDX:25629
@OFF:0x13699
@SPK:
@JPN:　もしかして、僕が仕事でヘマをしたせいだろうか？　
@ENG:

@IDX:25632
@OFF:0x13715
@SPK:[\protag]
@JPN:　御堂さん、大丈夫ですか？　さっきからぼんやりしてるけど。
@ENG:

@IDX:25634
@OFF:0x138bb
@SPK:［悠紀］
@JPN:　え？　あ、いえ、平気です。二人が知り合いだったなんて知らなかったもので、ちょっとビックリして……。
@ENG:

@IDX:25637
@OFF:0x13955
@SPK:[\protag]
@JPN:　知り合い？　いえ、真魚とは昨日初めて会ったんですが……。
@ENG:

@IDX:25639
@OFF:0x139d2
@SPK:［悠紀］
@JPN:　でも、今、『真魚』って……。
@ENG:

@IDX:25641
@OFF:0x13a33
@SPK:［真魚］
@JPN:　ああ、それ？　私が頼んだんだ。だってこの人、『佐伯さん』なんて呼ぶんだよ？　背中が痒くなっちゃう。
@ENG:

@IDX:25643
@OFF:0x13c03
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうだったの。真魚ちゃん、昨日も『顔を知ってる』って言ってたでしょ？　だから、てっきり……。
@ENG:

@IDX:25646
@OFF:0x13c97
@SPK:[\protag]
@JPN:　顔を知ってた？　僕のですか……？
@ENG:

@IDX:25648
@OFF:0x13cfc
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ええ、そう言ってましたよ？　ね、真魚ちゃん？
@ENG:

@IDX:25650
@OFF:0x13e9a
@SPK:［真魚］
@JPN:　そ、そんなこと言ったかな……？
@ENG:

@IDX:25652
@OFF:0x13efd
@SPK:［悠紀］
@JPN:　言ったでしょう？　場所を決めておいた方がいいんじゃないって言ったら、顔を知ってるから平気だって。
@ENG:

@IDX:25655
@OFF:0x13f95
@SPK:[\protag]
@JPN:　僕の顔を知ってる？　会ったことあったか？
@ENG:

@IDX:25657
@OFF:0x1412f
@SPK:［真魚］
@JPN:　そ、それは……あ！　私、急用思い出しちゃった。じゃ、もう戻るから！
@ENG:

@IDX:25659
@OFF:0x142e3
@SPK:［悠紀］
@JPN:　え、ええ……話はもういいの？
@ENG:

@IDX:25661
@OFF:0x14344
@SPK:［真魚］
@JPN:　うん、もう充分聞いたから。じゃあね！
@ENG:

@IDX:25663
@OFF:0x1454b
@SPK:［悠紀］
@JPN:　どうしたのかしら真魚ちゃん。あんなに慌てて。
@ENG:

@IDX:25666
@OFF:0x145af
@SPK:[\protag]
@JPN:　でも真魚って、いつもあんな感じじゃないですか？
@ENG:

@IDX:25668
@OFF:0x14698
@SPK:［悠紀］
@JPN:　いいえ……普段は、もう少し静かです……。
@ENG:

@IDX:25671
@OFF:0x146f8
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうなんですか？　地下で会った時も、あんな感じだった気がするんですけど……。
@ENG:

@IDX:25673
@OFF:0x147ff
@SPK:［悠紀］
@JPN:　え？　地下で会ったって、仕事場のある……？
@ENG:

@IDX:25676
@OFF:0x14861
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、あいつが仕事場を覗いてるところに出くわしまして。
@ENG:

@IDX:25678
@OFF:0x148dc
@SPK:［悠紀］
@JPN:　仕事場を覗いていた？　どうして真魚ちゃんがそんなことを？それにあそこは……。
@ENG:

@IDX:25681
@OFF:0x14960
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、僕もそこはマズイって言ったんですけど、あいつ、自分は関係者だからいいんだって。
@ENG:

@IDX:25683
@OFF:0x149f9
@SPK:［悠紀］
@JPN:　関係者？　あの子が？
@ENG:

@IDX:25686
@OFF:0x14a45
@SPK:[\protag]
@JPN:　違うんですか？　……でもあいつのことですし、案外『看護婦なんだから病院関係者だ』って意味かもしれませんよね。
@ENG:

@IDX:25688
@OFF:0x14b70
@SPK:［悠紀］
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:25691
@OFF:0x14bb2
@SPK:[\protag]
@JPN:　……御堂さん？
@ENG:

@IDX:25693
@OFF:0x14c7b
@SPK:［悠紀］
@JPN:　え？　あ、ごめんなさい。私、考え事してて……。
@ENG:

@IDX:25696
@OFF:0x14ce1
@SPK:[\protag]
@JPN:　大丈夫ですか？　なんだか顔色が悪いですよ？
@ENG:

@IDX:25698
@OFF:0x14d50
@SPK:［悠紀］
@JPN:　え、ええ……ちょっと気分が悪くて……。
@ENG:

@IDX:25701
@OFF:0x14dae
@SPK:[\protag]
@JPN:　もしかして、僕が失敗したせいですか？
@ENG:

@IDX:25703
@OFF:0x14e17
@SPK:［悠紀］
@JPN:　い、いえ、あなたのせいじゃありません……すみません、私、ナースステーションに戻ります。
@ENG:

@IDX:25706
@OFF:0x14ea5
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうですか……。少し休んだ方がいいですよ。
@ENG:

@IDX:25708
@OFF:0x14f14
@SPK:［悠紀］
@JPN:　でも、まだ仕事がありますから……。
@ENG:

@IDX:25711
@OFF:0x14f6e
@SPK:[\protag]
@JPN:　あの、あまり無理はしない方が……。
@ENG:

@IDX:25713
@OFF:0x1504f
@SPK:［悠紀］
@JPN:　すみません、気を遣わせてしまって……。
@ENG:

@IDX:25716
@OFF:0x150ad
@SPK:[\protag]
@JPN:　い、いえ、いいんですよ。御堂さんが病気にでもなったら僕も困りますからね。じゃあ、僕はこれで……。
@ENG:

@IDX:25718
@OFF:0x15152
@SPK:［悠紀］
@JPN:　………………。
@ENG:

@IDX:25721
@OFF:0x15198
@SPK:[\protag]
@JPN:　御堂さん？
@ENG:

@IDX:25723
@OFF:0x1525d
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……あっ、はい。明日の仕事はこれまで通り朝８時からです。遅れないでください。
@ENG:

@IDX:25726
@OFF:0x152e1
@SPK:[\protag]
@JPN:　え、ええ。分かりました。じゃあ、お大事に……。
@ENG:

@IDX:25727
@OFF:0x15359
@SPK:
@JPN:　御堂さんはふらつきながらナースステーションへと　戻っていった。
@ENG:

@IDX:25728
@OFF:0x153a7
@SPK:
@JPN:　随分と顔色が悪かったが、大丈夫だろうか？
@ENG:

@IDX:25729
@OFF:0x153ed
@SPK:
@JPN:　ここで心配していても仕方ない。
@ENG:

@IDX:25730
@OFF:0x1541b
@SPK:
@JPN:　部屋に戻ろう。
@ENG:

@IDX:25731
@OFF:0x15439
@SPK:
@JPN:　話している間に１０時を廻ってしまった。
@ENG:

@IDX:25732
@OFF:0x1546f
@SPK:
@JPN:　これ以上起きていたら、明日仕事に差し支えるかも　しれない。
@ENG:

@IDX:25733
@OFF:0x154b9
@SPK:
@JPN:　この仕事を続けるには休める時に休まないと……。　
@ENG:

@IDX:25734
@OFF:0x155c7
@SPK:
@JPN:　部屋に帰ってすぐに横になった。
@ENG:

@IDX:25735
@OFF:0x155f5
@SPK:
@JPN:　だが、仕事の直後だからだろうか？
@ENG:

@IDX:25736
@OFF:0x15625
@SPK:
@JPN:　寝なければいけないと分かっているが、目が冴えて　眠れない。
@ENG:

@IDX:25737
@OFF:0x1567f
@SPK:
@JPN:　あんな仕事、寝る前にするものではない。
@ENG:

@IDX:25738
@OFF:0x156b5
@SPK:
@JPN:　目を閉じれば死体の姿がチラついて、とても眠れる　ような状況ではない。
@ENG:

@IDX:25739
@OFF:0x15709
@SPK:
@JPN:　昨日、一昨日は、なぜ眠れたのか……そのことが、　今は不思議でならない。
@ENG:

@IDX:25740
@OFF:0x1577a
@SPK:
@JPN:　夜の仕事も初めてだったし、いつもより薄暗い部屋　での作業が、思ったより神経をすり減らしたのかも　しれない。
@ENG:

@IDX:25741
@OFF:0x157f4
@SPK:
@JPN:　そんなことを考えながら、ふと真魚との会話を思い　出した。
@ENG:

@IDX:25742
@OFF:0x1584c
@SPK:
@JPN:　『朝覗いた時から切れてたよ』
@ENG:

@IDX:25743
@OFF:0x15878
@SPK:
@JPN:　あいつ、何のためにあんな場所を覗いてたんだ？
@ENG:

@IDX:25744
@OFF:0x158b4
@SPK:
@JPN:　ただの好奇心なのか？
@ENG:

@IDX:25745
@OFF:0x158d8
@SPK:
@JPN:　他人の詮索をするのは好きではないが、気になって　仕方がない。
@ENG:

@IDX:25746
@OFF:0x15936
@SPK:
@JPN:　死体の姿と、真魚の行動……。
@ENG:

@IDX:25747
@OFF:0x15962
@SPK:
@JPN:　その二つが、僕の意識を眠りから遠ざける。
@ENG:

@IDX:25748
@OFF:0x1599a
@SPK:
@JPN:　このままでは、いつまで経っても眠れない。
@ENG:

@IDX:25749
@OFF:0x159f2
@SPK:
@JPN:　御堂さんのことも、心配の種だ。
@ENG:

@IDX:25750
@OFF:0x15a20
@SPK:
@JPN:　妙に元気がなく、始終俯きっぱなし……。
@ENG:

@IDX:25751
@OFF:0x15a56
@SPK:
@JPN:　もともと元気のいい方ではないが、それでも具合が　悪そうにしていれば心配になってくる。
@ENG:

@IDX:25752
@OFF:0x15aca
@SPK:
@JPN:　体調でも崩したのだろうか？
@ENG:

@IDX:25753
@OFF:0x15af4
@SPK:
@JPN:　それとも、やっぱり僕の失敗のせいで……。
@ENG:

@IDX:25754
@OFF:0x15b2c
@SPK:
@JPN:　御堂さんは、僕のせいじゃないと言ってくれたが、　それは、気を遣ってくれただけなんじゃないか？
@ENG:

@IDX:25756
@OFF:0x15bc6
@SPK:　うーん
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25757
@OFF:0x15bd4
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25758
@OFF:0x15be2
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25759
@OFF:0x15bf0
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:25760
@OFF:0x15bfe
@SPK:
@JPN:。
@ENG:

@IDX:25761
@OFF:0x15c26
@SPK:
@JPN:　心配は心配だが、こうしていつまでも悩んでるわけ　にもいかない。
@ENG:

@IDX:25762
@OFF:0x15c74
@SPK:
@JPN:　寝不足なんかで失敗したら、それこそ御堂さんに顔　向けできない。
@ENG:

@IDX:25763
@OFF:0x15cc2
@SPK:
@JPN:　ウダウダ悩んで夜更かしするよりも、体調を整えた　方がいい。
@ENG:

@IDX:25764
@OFF:0x15d0c
@SPK:
@JPN:　その方が御堂さんのためになる。
@ENG:

@IDX:25765
@OFF:0x15d3a
@SPK:
@JPN:　……今はただ眠ることだけ考えよう。
@ENG:

@IDX:25766
@OFF:0x15d7e
@SPK:
@JPN:　頭を枕に埋めて、無理やり目を閉じる。
@ENG:

@IDX:25767
@OFF:0x15db2
@SPK:
@JPN:　湧き上がる思考を抑えつけながら、何とか眠ろうと　努力をし続けた……。
@ENG:

